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Omega Investment株式会社

コスモ・バイオ (Company note – 1Q update)

株価(6/26)1,039 円予想配当利回り(24/12予)2.88 %
52週高値/安値1,072/937 円ROE(23/12)5.4 %
1日出来高(3か月)7.1 千株営業利益率(23/12)5.6 %
時価総額62.8 億円ベータ(5年間)0.61
企業価値32.4 億円発行済株式数 5.834 百万株
PER(24/12予)20.3 倍上場市場 東証スタンダード
PBR(23/12実)0.71 倍
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研究用試薬、ライフサイエンス機器の提供で生命科学の進歩に資する

202412月期1Q決算:増収減益だが想定線。

コスモ・バイオが2024年5月9日引け後に発表した2024年12月期1Q(1-3月)決算は増収減益だった。売上高は29.4億円(前年同期比4%増)、営業利益は3.0億円(同23%減)、経常利益2.9億円(同28%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2.3億円(同12%減)である。

 同社によれば、総じて想定通りの着地だった模様である。通期会社予想に対する進捗率は、売上高が30%、経常利益66%程度である。通期会社予想がそもそも増収減益であることに留意するとしても、進捗率という点では順当と言えるだろう。

 柴山新社長の体制のもと、体制整備が進んでいることにも注目したい。

202412月期会社予想:変更なし。

 2Q累計、および通期予想には今回変更はない。通期ドル円相場の想定は1米ドル150円である。

 

◇株価動向と今後の注目点:成長戦略の進展と低PBR対応に期待したい

 株価は直近上昇しはじめている。これが本格的な上昇軌道に乗るために注目したい点は次のとおりである。

 まず、ドル円相場の今後の動向(円安が止まるか)、そしてこれと関連して、2Q決算発表時点ないしそれ以降に通期予想に(上方)修正があるか。為替リスク管理手法が高度化するか。

 次に、中期的な成長戦略で掲げている商社機能の強化・拡大、製造機能の育成・拡大、そして事業のグローバル化について具体的な案件が積み上がってくるか。この結果、構造的に為替リスクを縮小させながら売上高・利益の拡大を図る体制に移行する道筋が見えてくるか。

 最後に、ROE改善に向けた中期的な事業戦略と、PBR1倍割れの解消見通しについて具体的な策がでてくるのか。

202412月期1Q決算:増収減益だが想定線。

 コスモ・バイオが2024年5月9日引け後に発表した2024年12月期1Q(1-3月)決算は増収減益だった。売上高は29.4億円(前年同期比4%増)、営業利益は3.0億円(同23%減)、経常利益2.9億円(同28%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2.3億円(同12%減)である。

 売上高に関しては民間の需要が堅調だった模様である。営業利益率は10.3%、前年同期比3.7ポイント低下となった。これはドル円相場が1米ドル146円(前年同期比9%円安)になり仕入れ原価が上昇したこと、配送費が上昇したことが主因である。この結果、増収ながらも減益になっている。

 このように、1Qは同社が需要はしっかり取り込むことができている点が評価ポイントである。また会社によれば想定通りの着地だったとのことで、これも評価ポイントになろう。通期会社予想に対する進捗率は、売上高が30%、経常利益66%程度で順当と言える。

 ただし、収益力の根本的な改善のためには、製造部門の強化による付加価値の引き上げ、労働生産性の向上、および輸入偏重型の事業構造から輸入と輸出のバランスが取れた事業構造へ転換が必要であることをあらためて印象付けた決算とも言える。

 業績以外の注目点として、柴山新社長の体制のもと、中期計画推進のために組織整備が進んでいることを指摘したい。具体的には、2024年4月1日付けで、人事部、マーケティング部、製品法務部および製造技術部を新設し、また、札幌事業部を廃しその機能を主として事業開発部および製造技術部へ移管した。その狙いは輸出を伸ばす体制を整え、自社製品の開発の効率化を進めることにあるようだ。先に述べた同社の事業構造上の経営課題に対して本腰で取り組む姿勢ととらえたい。

 なお、受託サービスマッチングサイト「Scientist3」(サイエンティストキューブ)は当四半期においては検証作業を綿密に進めているとのことである。

 参考として、本年度の重点施策を示しておく。

出所:同社資料

 決算期 売上高
(百万円)
前期比
(%)
営業利益
(百万円)
前期比
(%)
経常利益
(百万円)
前期比
(%)
当期利益
(百万円)
前期比
(%)
EPS
()
DPS
()
2019/12 7,590 4.5 405 23.5 470 16.5 237 -8.6 40.14 14.00
2020/12 8,092 6.6 752 85.6 817 73.7 674 183.2 113.70 34.00
2021/12 9,231 14.1 1,048 39.4 1,099 34.5 737 9.4 126.94 36.00
2022/12 9,553 3.5 816 -22.2 790 -28.1 517 -29.8 89.13 36.00
2023/12 9,340 -2.2 519 -36.3 653 -17.4 442 -14.4 75.97 30.00
2024/12(会予) 9,800 4.9 390 -25.0 450 -31.1 310 -30.0 53.12 30.00
2023/12 1Q 2,828 -7.2 400 -30.7 416 -26.2 264 -17.8 45.46 0.00
2024/12 1Q 2,943 4.1 305 -23.8 299 -28.1 230 -12.6 39.56 0.00

 

202412月期会社予想:変更なし。

 2Q累計、および通期予想には今回変更はない。通期ドル円相場の想定は1米ドル150円である。

◇株価動向と今後の注目点:成長戦略の進展と低PBR対応に期待したい

 同社の株価は、過去一年間ジリ高基調にあるもののTOPIXに対してはアンダーパフォームしてきた。ただし直近株価は上昇しており、この背景にはPBRが0.71倍と割安であること、先に見た様に通期計画に対して1Qの利益の進捗率が高いこと、および認知症の商品を取り扱う認知症関連株として注目度が上昇していることがあるようだ。

 このように足元の株価は、復調のきっかけを得たとも言えるが、本格的な回復には次の諸点に注目したい。

 まず、ドル円相場の今後の動向(円安が止まるか)、そしてこれと関連して、2Q決算発表時点ないしそれ以降に通期予想に(上方)修正があるか。為替リスク管理手法が高度化するか。

 次に、中期的な成長戦略で掲げている商社機能の強化・拡大、製造機能の育成・拡大、そして事業のグローバル化について具体的な案件が積み上がってくるか。この結果、構造的に為替リスクを縮小させながら売上高・利益の拡大を図る体制に移行する道筋が見えてくるか。

 最後に、ROE改善に向けた中期的な事業戦略と、PBR1倍割れの解消見通しについて具体的な策がでてくるのか。

 柴山社長はROEとPBRの低さに関して十分な課題認識を持っていると見られる。今後のニュースフローに株式市場の関心が高まっていくと期待したい。 

財務データ

金額単位:百万円   2012/12 2013/12 2014/12 2015/12 2016/12 2017/12 2018/12 2019/12 2020/12 2021/12 2022/12 2023/12 2024/12
(会社予想)
[損益計算書]                          
売上高 7,241 7,050 7,235 7,357 7,427 7,068 7,261 7,590 8,092 9,231 9,553 9,340 9,800
前期比 0.7% -2.6% 2.6% 1.7% 1.0% -4.8% 2.7% 4.5% 6.6% 14.1% 3.5% -2.2% 4.9%
売上原価 4,057 4,429 4,811 4,976 4,655 4,535 4,602 4,710 4,940 5,572 6,112 6,090  
売上総利益 3,184 2,620 2,424 2,380 2,772 2,532 2,659 2,879 3,152 3,658 3,440 3,249  
販売費及び一般管理費 2,386 2,349 2,261 2,180 2,257 2,339 2,330 2,474 2,399 2,609 2,624 2,729  
営業利益 798 271 162 200 514 193 328 405 752 1,048 816 519 390
前期比 -10.4% -66.0% -40.2% 23.5% 157.0% -62.5% 69.9% 23.5% 85.7% 39.4% -22.2% -36.3% -25.0%
営業利益率 11.0% 3.8% 2.2% 2.7% 6.9% 2.7% 4.5% 5.3% 9.3% 11.4% 8.5% 5.6% 4.0%
営業外収益 46 177 128 175 21 208 89 72 71 71 57 136  
営業外費用 43 3 5 2 51 3 13 7 6 20 83 2  
経常利益 801 444 285 373 483 397 403 470 817 1,099 790 653 450
特別利益 3 9 46 34 55 8     190        
特別損失 30 2 1 0 82 5   81          
税引前当期純利益 774 451 330 407 456 400 403 388 1,008 1,099 790 653  
法人税等合計 336 137 131 158 180 148 126 142 307 331 238 191  
親会社株主に帰属する当期純利益 411 313 201 230 254 237 260 237 674 737 517 442 310
前期比 -10.3% -23.8% -35.8% 14.4% 10.4% -6.7% 9.7% -8.8% 184.4% 9.3% -29.9% -14.4% -30.0%
当期純利益率 5.7% 4.4% 2.8% 3.1% 3.4% 3.4% 3.6% 3.1% 8.3% 8.0% 5.4% 4.7% 3.2%
[貸借対照表]                          
流動資産 5,413 5,527 5,234 5,266 5,495 5,143 5,668 5,927 6,756 7,310 7,136 7,102  
現金同等物及び短期性有価証券 2,143 2,036 1,482 1,498 1,948 1,483 2,268 2,516 3,259 3,555 3,036 3,025  
固定資産 1,541 2,750 2,927 2,523 2,438 2,982 2,832 2,962 2,883 2,761 3,176 3,770  
有形固定資産 178 185 213 227 319 690 636 695 636 599 577 572  
投資その他の資産 1,201 2,456 2,613 2,071 1,842 2,041 1,943 2,068 2,081 1,979 2,428 3,042  
資産合計 6,955 8,277 8,161 7,790 7,934 8,126 8,501 8,890 9,640 10,072 10,313 10,872  
流動負債 916 818 1,130 1,017 916 799 945 987 1,226 1,093 1,038 1,123  
短期借入金 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20  
固定負債 317 660 497 394 436 488 502 581 552 658 656 722  
負債合計 1,234 1,479 1,628 1,412 1,352 1,288 1,448 1,568 1,779 1,752 1,695 1,846  
純資産合計 5,720 6,797 6,532 6,378 6,581 6,838 7,053 7,321 7,861 8,319 8,617 9,026  
株主資本合計 5,230 6,311 6,050 5,951 6,135 6,381 6,581 6,843 7,358 7,787 8,052 8,443  
資本金 918 918 918 918 918 918 918 918 918 918 918 918  
資本剰余金 1,221 1,221 1,221 1,251 1,251 1,251 1,251 1,251 1,251 1,258 1,260 1,261  
利益剰余金 3,119 3,314 3,397 3,521 3,680 3,812 4,026 4,181 4,761 5,274 5,560 5,805  
自己株式 -67 -67 -67 -67 -67 -67 -67 -67 -67 -239 -216 -194  
評価・為替差額 37 924 579 327 352 466 451 558 494 574 530 654  
負債純資産合計 6,955 8,277 8,161 7,790 7,934 8,126 8,501 8,890 9,640 10,072 10,313 10,872  
(株主資本比率) 75.2% 76.2% 74.1% 76.4% 77.3% 78.5% 77.4% 77.0% 76.3% 77.3% 78.1% 77.7%  
[キャッシュ・フロー計算書]                          
営業活動によるキャッシュ・フロー 347 126 297 129 573 89 908 549 803 648 284 736  
投資活動によるキャッシュ・フロー -167 -99 -227 -263 99 -235 -185 -115 42 -145 -291 -758  
財務活動によるキャッシュ・フロー -126 -126 -122 -151 -107 -109 -85 -85 -97 -420 -236 -201  
現金及び現金同等物の増減額 61 -97 -52 -285 549 -264 684 348 743 95 -218 -210  
現金及び現金同等物の期首残高 1,471 1,532 1,435 1,383 1,098 1,648 1,383 2,068 2,416 3,159 3,255 3,036  
現金及び現金同等物の期末残高 1,532 1,435 1,383 1,098 1,648 1,383 2,068 2,416 3,159 3,255 3,036 2,826  
フリーキャッシュフロー 180 27 70 -134 672 -146 723 434 845 503 -7 -22