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Omega Investment株式会社

カイオム・バイオサイエンス(Company Note 3Q update)

株価(11/29)211 円PER(21/12予)– 倍
52週高値/安値386/176 円PBR(20/12実)3.53 倍
1日売買代金(22日平均)55 百万円ROE(20/12実)-45.6%
発行済株式数40.305 百万株時価総額85 億円
上場市場マザーズ自己資本比率(21/9)81.6%
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4583CBS2021Q3_JN211130

各種治験が順調に進捗
創薬支援で中外製薬グループとの契約期間延長

◇2021/12期3Q決算の注目点

  • 創薬事業は、臨床開発段階の2品目(CBA-1205、CBA-1535)の治験および治験準備が順調に進捗。導出品に関しても、ADCT-701が米国国立がん研究所と共同開発を開始する等、着実に進んでいる。
  • 現状の収益の主力である創薬支援事業の売上は、1Q 1.4億円→2Q 1.3億円→3Q 1.5億円と堅調。中外製薬グループとの委託研究契約期間の延長に署名した。
  • 21年9月末時点での、現預金は20.7億円。同社では、研究開発費に12億円程度+その他の販管費の支出が必要で、来年度にかけてファイナンスも視野に入ってくるものと思われる。

◇2021/12期3Q決算実績:前年同期比73%増収、損失幅は縮小

 同社の2021/12期3Q決算実績は、売上高 541百万円(前年同期比 73%増加)、営業損失 850百万円(前年同期は 1,080百万円の営業損失)、経常損失 843百万円(前年同期は 1,087百万円の経常損失)、四半期純損失 842百万円(前年同期は 1,087百万円の四半期純損失)となった。

 創薬事業は、1QにLIV-2008/2008bのライセンス契約一時金を計上しており 103百万円の売上(前期は 1百万円)に。創薬支援事業の売上高は438百万円。国内製薬企業を中心に既存顧客との安定的な取引が継続し、128百万円の増収となった。研究開発費は 860百万円。CBA-1535治験薬等製造費用を計上しているが、前期比 90百万円減少した。

 BSにおいては、2021年9月末の現預金は 2,071百万円。2020年12月末より 615百万円減少した。資産合計は 2,950百万円となった(2020年12月末は 3,494百万円) 。自己資本比率は2020年12月末の 88.2%から6.6pt 低下し、81.6%となった。

 

決算期

売上高

(百万円)

前期比

(%)

営業利益

(百万円)

前期比

(%)

経常利益

(百万円)

前期比

(%)

当期利益

(百万円)

前期比

(%)

EPS

()

2017/12

259

3.0

-887

-883

-882

-33.48

2018/12

212

-18.1

-1,539

-1,533

-1,533

-57.26

2019/12

447

110.3

-1,401

-1,410

-1,403

-44.61

2020/12

480

7.4

-1,283

-1,291

-1,293

-39.06

2021/12(会予)

2020/12 3Q

312

10.5

-1,080

-1,087

-1,087

-31.33

2021/12 3Q

541

73.5

-850

-843

-842

-20.94

◇パイプラインの進捗状況

創薬事業パイプライン

出所:同社資料

*CBA-1205;国立がん研究センターでの第一相試験前半パートは順調に進捗。開発計画を変更し、当初よりも高容量の安全性データを取得する。既報の通り、第一相試験後半パートは、2021年末〜2022年前半を目指し、肝細胞がん患者での有効性の初期評価の予定。

*CBA-1535;治験薬製造委託CMOにおける治験用原薬製造は予定通り進捗。新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な中、当初計画していた英国での治験に代えて開発への影響が少ない日本国内での治験申請への変更を検討。国内規制当局との調整の上、2022年前半の治験申請を行う見込み。

*BMAA;2021年5月にSemaThera社とのオプション契約が終了したのに伴い、自社での事業機会を確保。海外の研究機関と共にセマフォリン3Aが関与する疾患に狙いを定めた共同研究を推進。

*PCDC;ADC用途を中心とした導出活動の推進及び追加動物試験を実施。2021年7月に、世界知的所有権機関で出願特許情報が公開。標的分子はCDCP1で、固形がん(肺がん、頭頸部がん、食道がん、大腸がん、子宮頸がん等)を対象疾患とするファーストインクラスの抗体。

*創薬研究プロジェクト(5件);上記以外の創薬研究プロジェクトにおいては、パイプラインの充実に向けた重点プロジェクトの導出・開発計画を検討。新規プロジェクトの立ち上げに向け既存プロジェクトの改廃も検討しており、新規の基礎出願に向けた準備が進捗中。

*ADCT-701;既導出品である、ADCT-701においては、ADCT社が米国国立がん研究所との共同開発を発表。2022年のIND申請および臨床試験に向けた準備が進行中である。

◇創薬支援事業の進捗:中外製薬グループとの委託契約研究延長

 現在同社では国内大手製薬企業と創薬支援事業に関する契約を締結しているが、初期からの顧客である中外製薬およびChugai Pharmabody Research との委託研究契約を延長した。中外製薬と2024年12月31日まで3年間、Chugai Pharmabody Researchとは2026年12月31日まで5年間延長する。

◇ADLib®︎システムの活用と改良:

 同社のコア技術である、ADLib®︎システムの活用と改良を継続。欧州において、ヒトADLib ®︎システムのライブラリ、日本においてADLib ®︎システムの交替取得方法について特許査定を行った。創薬支援事業に関連する技術の向上を図るとともに、自社開発の創薬パイプラインの強化にも資することが期待される。

財務データ

 

2019/12

     

2020/12

     

2021/12

   
 

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

損益計算書

                     

売上高

64

77

142

165

91

82

139

169

246

139

157

 創薬事業

0

1

1

28

1

1

0

1

103

0

0

 創薬支援事業

63

76

142

137

90

82

138

168

143

138

157

売上原価

27

26

58

52

61

46

59

70

64

62

78

売上総利益

37

51

84

113

30

36

80

99

182

77

79

販売費及び一般管理費

464

374

503

346

456

346

424

303

337

337

515

 研究開発費

363

273

407

256

343

266

342

206

216

243

401

営業損失

-426

-324

-419

-233

-426

-310

-344

-204

-155

-260

-436

営業外収益

0

1

4

0

2

0

3

0

7

0

2

営業外費用

6

4

4

0

0

2

10

1

1

0

1

経常損失

-432

-327

-418

-233

-425

-311

-351

-205

-150

-259

-434

特別利益

2

1

6

0

0

0

特別損失

税引前当期純損失

-430

-326

-412

-233

-425

-310

-351

-205

-150

-247

-433

法人税等合計

1

0

1

0

1

0

1

1

11

1

1

当期純損失

-431

-326

-413

-234

-425

-311

-352

-206

-161

-248

-434

貸借対照表

                     

流動資産

3,048

3,206

2,807

2,561

2,309

2,805

3,316

3,249

3,294

3,088

2,675

 現金及び預金

2,776

2,899

2,469

2,106

1,967

2,472

2,881

2,686

2,580

2,302

2,071

固定資産

219

217

242

247

247

249

249

246

244

241

274

 有形固定資産

15

14

12

11

10

9

8

7

6

6

4

 投資その他の資産

204

204

230

236

237

240

241

238

237

235

269

資産合計

3,267

3,423

3,049

2,808

2,556

3,054

3,566

3,495

3,537

3,329

2,950

流動負債

177

207

154

145

315

427

378

343

378

428

468

 短期借入金

142

199

199

180

180

190

199

固定負債

41

41

41

41

42

42

42

42

42

42

53

負債合計

219

248

196

187

357

469

420

385

420

470

522

純資産合計

3,048

3,175

2,853

2,622

2,199

2,585

3,146

3,110

3,118

2,859

2,428

株主資本合計

3,048

3,175

2,853

2,622

2,199

2,585

3,146

3,110

3,118

2,859

2,428

 資本金

5,856

6,084

6,132

6,132

6,133

846

1,303

1,388

1,471

1,471

1,472

 資本剰余金

5,846

6,074

6,122

6,122

6,123

2,446

2,903

2,987

3,071

3,071

3,072

 利益剰余金

-8,682

-9,008

-9,421

-9,655

-10,080

-736

-1,088

-1,294

-1,455

-1,703

-2,136

 新株予約権

28

26

20

22

24

30

28

29

30

19

19

負債純資産合計

3,267

3,423

3,049

2,808

2,556

3,054

3,566

3,495

3,537

3,329

2,950

[キャッシュ・フロー計算書]

                     

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

-677

 

-1,537

 

-528

 

-1,360

 

-560

 

 税引前当期純損失

 

-755

 

-1,401

 

-734

 

-1,290

 

-396

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

-26

 

 

 3

 

 

 有価証券の取得

 –

 –

 –

  –

 –

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

1,248

 

1,341

 

894

 

1,944

 

176

 

 株式の発行

 

1,249

 

1,345

 

697

 

 1,769

 

166

 

現金及び現金同等物の増減額

 

570

 

-222

 

366

 

580

 

-384

 

現金及び現金同等物の期首残高

 

2,328

 

2,328

 

2,105

 

2,105

 

2,686

 

現金及び現金同等物の期末残高

 

2,899

 

2,105

 

2,472

 

2,686

 

2,301

 

注)  キャッシュ・フロー計算書については、2Qは 1Q〜2Qの累計、4Qについては 1Q〜4Qの累計の数値となっている。従って、期首残高も、それぞれ1Qの期首残高となる。
出所:同社資料より Omega Investment 作成