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Omega Investment株式会社

キッズウェル・バイオ (Company Note)

株価(9/27)635円PER(22/3予)– 倍
52週高値/安値864/393 円PBR(21/3実)12.66 倍
1日売買代金(22日平均)378 百万円ROE(21/3実)-68.50%
時価総額194 億円予想配当利回り(22/3)– %
発行済株式数30.640 百万株自己資本比率(21/6)43.0%
上場市場マザーズ外国人持株比率3.20%
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4584CN20210928JN

KIDS WELL, ALL WELL
再生医療、バイオ新薬で新たな価値を創造へ

注目点

北大発の創薬ベンチャー企業。バイオシミラーで先行・実績。乳歯歯髄幹細胞(SHED)を応用した再生医療と、バイオ新薬開発に注力。バイオシミラーの伸長で2022年3月期黒字化を目指す。小児疾患に一層力を入れるべく、2021年7月にジーンテクノサイエンスから現社名に変更。

サマリー

  • 北海道大学発の創薬ベンチャー企業。同大学遺伝子病制御研究所の研究開発成果を元に、診断薬や治療薬を開発することを目的に設立。2002年よりバイオシミラー(バイオ後続品)の研究を開始。現在、2品目を既に開発、上市。バイオ新薬開発は複数品目がパイプラインにあり、2030年代の上市を目指している。新たに強化中の再生医療は、乳歯歯髄幹細胞(SHED)、心臓内幹細胞(CSC)を用い、アンメットニーズの高い疾患の治療薬の開発に注力する。2012年、東証マザーズ上場。2021年2月、新たな中期経営計画を発表。7月、小児疾患及び小児を切り口に全世代の稀少疾患に新しい医療を提供するとして、キッズウェル・バイオに社名変更した。
  • 主な事業内容は、以下の3点。

バイオシミラーバイオ医薬品の後続品の開発。日本の同分野におけるパイオニア。高価格になりがちなバイオ医薬品の代替選択肢を提供。既に2品目が提携製薬企業から販売されており、2021年度中に3品目目の上市が見込まれる。創薬ベンチャーは新薬開発まで多額の資金のファイナンスが必要だが、同社はバイオシミラーの販売から得られる利益が、ファイナンス負担を軽くしている。
再生医療:近年、同社が最も力を入れている分野で、幹細胞を活用した細胞治療プラットフォームの確立を目指す。主に乳歯を利用した歯髄幹細胞(SHED)では、現在8品目のパイプラインがあり、製薬企業等への導出活動を加速化している。また、乳歯の安定供給体制を構築するために、マスターセルバンクを開発中。心臓内幹細胞(CSC)は、JRM-001が第三相臨床試験まで進んでおり、早期の上市が期待されている。
バイオ新薬:自社で研究開発中のバイオ新薬は複数がパイプラインに。GND-004(抗RAMP2抗体)が眼疾患、がん領域の医薬品候補として、核酸医薬品候補GND-007は免疫疾患への対応を研究中である。バイオ新薬は成功すれば、大きなリターンが期待できるが、まだ研究段階であり、上市予定は2030年代前半と見られている。

  • 中期経営計画:同社は2021年2月、中期経営計画を発表。3事業による収益モデルを最大限活用することにより、営業黒字化を前倒しで実現。2023/3期の営業黒字化、2026/3期には売上高 30 億円、営業利益10億円を目指すとした。今後もバイオシミラー、再生医療等での開発が順調に進む見通しだが、パイプラインの導出先の確実な確保が課題となろう。
  • 2021/3期は売上高 9.9億円、研究開発費 9.6億円で、営業損失は 9.6億円、当期純損失は 10億円となった。研究開発費の一部が次期に期ずれしたため、当初予想より営業利益は上振れている。新株予約権の行使により7.4億円をファイナンスし、2021/3月末の現預金残高は 14.6億円となった。2022/3期は、売上高 19億円(91%増)、営業損失は 17.2億円を見込んでいる。
  • 株価動向:同社株価は、上記、中期経営計画の公表に加え、通期決算の発表を受けて大きく上昇基調に。年初来では6割の上昇となっており、中期経営計画への投資家の期待感が伺える。今後は、同計画で示されたロードマップの着実な実行が求められよう。

目次

サマリー
主要財務データ
事業概要
 事業モデル
 バイオシミラー
 再生医療
 バイオ新薬
中期経営計画
決算動向
 2021/3期決算実績
 2022/3期1Q決算実績
 2022/3期通期予想
株価動向
財務データ
会社概要
 企業概要/沿革
 マネージメント/コーポレートガバナンス体制
 大株主の状況/SDGsへの取り組み

主要財務データ

決算期2016/32017/32018/32019/32020/32021/3
売上高1,1601,0891,0591,0211,077996
売上原価・販管費1,9812,2731,9731,8272,2491,966
 研究開発費1,0751,4331,107945898963
 その他9068408658821,3501,002
営業損失-820-1,184-913-805-1,161-969
経常損失-785-1,176-903-816-1,187-991
当期純損失-787-1,224-904-856-7,316-1,001
流動資産1,5203,4212,6922,8213,3223,346
 現金及び預金8172,3791,8912,0092,0321,461
資産合計1,6943,7063,0253,1513,5923,933
純資産合計4033,5002,6042,7311,4871,610
自己資本比率(%)22.693.885.085.639.838.0
営業活動によるキャッシュ・フロー-607-1,759-438-860-1,325-1,267
投資活動によるキャッシュ・フロー-121-149-500-137-22
財務活動によるキャッシュ・フロー9463,471 –9781,221718
現金および現金同等物の増減額8172,3791,8912,0092,0331,461
注)  2020/3期より連結決算、それ以前は非連結であるため継続性は無い
  営業活動によるキャッシュ・フロー:製剤開発等を中心とした研究開発費や販管費等の支出
  財務活動によるキャッシュ・フロー:新株予約権行使に伴う株式発行による収入
出所:同社資料より Omega Investment 作成

事業概要

事業モデル:ハイブリッド事業体制

通常、創薬ベンチャーは、基礎研究から、導出、臨床試験のプロセスを経て、新薬の上市まで10年程度の年月を要し、それまで毎年10億円単位での研究開発資金のファイナンスが必要となる。同社は2002年より、バイオシミラーの研究を開始。日本におけるバイオシミラーのパイオニアであり、既に2品目を上市して年間10億円を超える売上高となっている。創薬ベンチャーの一番の課題である資金調達において、バイオシミラーからの収益が貢献。成長性を担うバイオ新薬の開発を、安定的かつ早期収益化が可能なバイオシミラーの収益が下支えする、ハイブリッドな事業体制を構築している。

 それぞれの事業の特質、関連性をより詳しく見たのが下表。

事業

期間

リスク

収益率

パイプライン、等

バイオシミラー

短期

低→中

既上市2品目→3品目、4品目に拡大することで、一層の売上増。研究開発費減少、製造コストの削減で、収益性を向上。

再生医療

中期

中→高

SHEDは8つのパイプランが進捗中。マスターセルバンク構築で歯髄幹細胞のプラットフォームを確立。CSC JRM-001が第三相臨床試験→上市で収益貢献へ。

バイオ新薬

長期

複数品目のパイプラインが研究開発段階。上市は2030年代前半。

 

 3つの異なる事業を手掛けることにより、期間、リスク、リターンのポートフォリオが、バランス良く組まれていることがわかる。その結果、創薬ベンチャーで一般的な、長期に亘ってほぼ売上が見込まれない中、赤字が続くという収益モデルを回避している。

 また、既存の株主にとってファイナンスに際しての新株発行による希薄化は大きな関心事であるが、上記ポートフォリオでのバイオシミラーからの収益寄与は、その懸念を少しでも和らげることに繋がるといえよう。

ハイブリッド事業体制

出所:同社資料

事業モデル:バーチャル型事業開発

 新薬の開発には研究開発投資、治験費用、製造設備等に多額の投資が必要で、ベンチャー企業の負担に耐えるものではなく、アカデミア、CRO・CMOといった委託企業、導出先である製薬会社等との間で連携、それぞれの得意分野で分業する体制が採られている。同社も、同社が強みを有する研究開発力とこれまでの事業経験で培った経験やノウハウ、ネットワーク力を活かし、最適なパートナーとの協業体制を構築。自らは製造設備を持たないバーチャル型の事業開発を行うことにより、軽装備で高い資本効率を可能にしている。 

バーチャル型事業開発 X プロジェクトマネージメント力

出所:同社資料

バイオシミラー

 ジェネリック医薬品という言葉は既に一般的になっているが、これは一般医薬品において先発品の特許が切れた後に販売される新薬と同じ有効成分、品質、効き目、安全性が同等と認められた医薬品である。医薬品はその開発に多額の研究開発費、臨床の為の費用などが嵩み高額となるため、医療費抑制の観点からもジェネリック医薬品の利用が求められている。

 今までの医薬品は、主に一般的な疾患を対象とし、低分子化合物で化学合成によって製造されているが、近年では、遺伝子組換えタンパク質等により製造されるバイオ医薬品の開発が進んでいる。バイオ医薬品は、難治性疾患や稀少疾患を対象に、微生物や細胞の中で合成される高分子化合物を精製して製造される。バイオ医薬品は、その製造工程の難しさもあり一層高価額となっており、一般医薬品におけるジェネリックと同様なバイオ後続品の開発が求められている。

現状
ジェネリックと比較し製造、承認のプロセスが難しく、あまり普及していない
理想
バイオシミラーが普及することによって、医療費負担が軽減

出所:同社資料

 しかしながら、バイオ医薬品自体の製造が高い技術を要するだけでなく、遺伝子組み替え技術や細胞培養などにより製造するため、低分子の一般的な医薬品のジェネリックと異なり、全く同一なものを作ることは出来ない。先行品と比較し、タンパク質は同一で薬効、安全性も似たようなもの(シミラー)なものは出来ても、分子構造が複雑なため、同一性を示すことが困難であり、同等性/同質性を示す必要がある。従って、バイオシミラーの開発は、ジェネリック医薬品と異なり、新薬開発に近い要件が求められ、突破すべきハードルは高い。

ジェネリック医薬品とバイオシミラーの比較

 

ジェネリック医薬品(後発医薬品)

バイオシミラー

定義

先発医薬品と有効成分、投与経路、用法・容量、効能・効果が同一の医薬品

安全な容量で十分な効果を発揮できれば副作用は少ない

製品特性

低分子化合物

高分子化合物

安定

安定化に工夫が必要

同一性を示すことが容易

分子構造が複雑で、同一性を示すことは困難なため、同等性/同質性を示す必要がある

製造

化学合成により製造

細胞培養技術等を用いて製造

開発要件

生物学的同等性試験

品質特性の同等性/同質性の比較

非臨床試験で薬理作用の比較及び安全性の確認

臨床試験で同等性/同質性の比較及び安全性の確認

製造販売後調査

薬価収載

先発品の50%

先行バイオ医薬品の70%

出所:各種資料より Onega investment 作成

 また、近年ではバイオセイム(先発バイオ医薬品と同一の製造設備を使用し、全く同じ分子構造を有した後続医薬品を、先発医薬品製薬企業がそのグループ会社等を経由して販売するような例)が登場している。バイオセイムは、現在バイオシミラーと同等の70%での薬価収載となっているが、バイオセイムの登場はバイオシミラーにとって競争相手として脅威の存在であり、製造原価の一層の低減などの対応が求められる。

 バイオシミラーの収益モデルは、研究開発段階及び上市後において、医薬品の主原料である原薬等を製薬企業に供給することによって得られる販売収益や、開発の進捗に応じた開発マイルストンペイメントによる収益と、共同研究開発契約を締結し、同社のノウハウ等を製薬企業に提供することで得られる役務収益とがある。

 以上のように、バイオシミラーの開発には、高度な研究開発力と製造段階でのコスト削減ノウハウ等が求められるため、バイオ医薬品の開発経験を有する製薬企業でないと開発が非常に難しく、参入障壁が高いといえる。同社は、バイオシミラーにいち早く注目し、バイオ新薬研究で培った技術や知識、ノウハウを活用し開発。2013年5月にGBS-001の上市に漕ぎ着けるなど、日本のバイオシミラー市場のパイオニアとして、大きな実績を残してきている。現在、バイオシミラーで10億円以上を売上げるバイオベンチャーは同社が唯一であり、バイオシミラー市場において他社に先行しているといえる。

 現在の同社のバイオシミラーのパイプラインは次頁の表を参照。既に、GBS-001、GBS-011の2品目を上市しており、今年度中にGBS-007の上市を予定している。

☆ GBS-001(フィルグラスチムBS(バイオ後続品)、対処疾患領域:がん)

 好中球を増やす作用などを現し、がん化学療法などによって起こる好中球減少症に対して使われるG-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)の製剤、先行品グラン(協和キリン)/ニューポジョン(米アムジェン)の後続品。2007年10月より富士製薬工業株式会社と共同研究を開始、2012年11月に富士製薬工業と持田製薬株式会社が国内での製造販売承認を取得、2013年5月に上市された。

バイオシミラーのパイプライン

(2021年8月31日現在)

出所:同社資料

 同社は、富士製薬工業に原液を安定的に供給し、富士製薬工業と持田製薬が2ブランド2チャネルで販売している。GBS-001の産生細胞株は Dong-A ST Co., Ltd.(韓国、旧東亜製薬)から導入している。

☆GBS-011(ダルぺボエチンアルファBS、対処疾患領域:腎疾患)

 腎性貧血治療薬であるエポエチンアルファの効果の持続性を高めた製品で、先行品はネスプ(協和キリン)/アラネスプ(米アムジェン)。株式会社三和化学研究所と共同開発し、2019年9月に三和化学研究所が国内での製造販売承認を取得。2019年11月に上市された。製造販売については三和化学研究所が単独で行い、同社は販売売上に応じた利益の配分を受けている。

☆ GBS-007(ラニビズマブBS、対象疾患領域:眼疾患)

 加齢黄斑変性症等の視力喪失の治療に向けた血管新生阻害剤。先行品はルセンティス(スイス、ノバルティス)。眼科領域に専門性の高い千寿製薬株式会社と2015年11月、資本業務提携に関わる基本合意契約を締結、その後、2016年5月には共同事業化契約を締結した。2020年9月、千寿製薬が国内での医薬品製造販売承認を申請、2021年9月に承認された。2021年度中に上市の予定をしており、今年度から収益面での貢献が期待できる見込み。また、海外市場へは、Ocumension Theraputicsへ導出し、中国及び台湾で販売する予定である。

 同社では、上記3品目に加えて、2025年度までに4品目の上市を計画している他、コスト競争力の高い新たなバイオシミラーの開発を推進する計画。開発候補品として、ニボルマブBS(オプジーボ)、ペムブロリズマブBS(キイトルーダ)、ラブリズマブBS(ユルトミリス)ブロルシズマブBS(ベオビュ)、ウステキヌマブBS(ステラーラ)等を挙げている。

再生医療

 同社では再生医療分野として、歯髄幹細胞(SHED心臓内幹細胞(CSCを活用した細胞治療プラットフォームの確立を目指している。

 再生医療(細胞治療)とは、患者自身の細胞・組織、又は他者の細胞・組織を培養等加工したものを用いて、失われた組織や臓器の機能を修復・再生する医療のことで、最先端バイオ技術の進展により幹細胞の研究・開発が急ピッチで進んでいる。幹細胞には、多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)と体性幹細胞があり、同社では、後者の各幹細胞中の歯髄幹細胞に応用した再生医療に注目している。

細胞治療プラットフォームのイメージ

出所:同社資料

 同社は、2019年以降、歯髄幹細胞を軸とした再生医療に取り組んできており、2019年4月には、歯髄幹細胞を利用した医療技術や再生医療製品等の開発を行ってきた株式会社セルテクノロジーを買収、完全子会社化。歯髄幹細胞関連ビジネスの研究開発を加速化してきた。2020年11月には、セルテクノロジーの事業を再編、細胞治療プラットフォームに関連する分野のみにフォーカスしている。

 また、心臓内幹細胞(CSC)に関しては、同社の親会社であったノーリツ鋼機グループ内で、心臓内幹細胞に関する研究を進めていた株式会社日本再生医療を 2020年2月に完全子会社化。日本再生医療が進める心臓内幹細胞を用いた再生医療開発(JRM-001)の上市を目指している。

 再生医療関連のパイプラインは下図の通り。

出所:同社資料

SHEDプロジェクト一覧

出所:同社資料

 歯髄幹細胞(SHED)プロジェクトの詳細は上表を参照。同社では、2022年度までに臨床試験の開始を計画、2030年度までに3製品の上市を目指している。このうち早期の開発進展が見込まれるのは、以下の通り。

GCT-101(歯髄幹細胞を活用した再生医療等製品の開発、対象疾患:口唇口蓋裂)

 口唇口蓋裂は、口腔の先天的異常によって発生する先天性疾患で、国内患者数は2,000人/年程度。歯髄幹細胞は優れた骨再生能力を有しており唇顎裂の再生医療に最適な細胞ソースと言える。ORTHREBIRTH株式会社と共同で、 ORTHREBIRTHが保有する人口骨充填剤と歯髄幹細胞とを組み合わせる新たな治療法の研究開発活動を行なっている。

GCT-102(歯髄幹細胞を活用した再生医療等製品の開発、対象疾患:腸管神経節細胞僅少症)

 腸管神経節細胞僅少症は、腸管の蠕動運動を司る神経細胞の不足により腸閉管症状を示す難病で、効果的な治療法が未だ確立されていない。歯髄幹細胞は腸管神経節細胞と同じ神経由来の細胞であり、歯髄幹細胞を投与することにより不足している腸管神経節細胞を補う働きをすることにより、蠕動運動の回復が期待できる。同社では、持田製薬と共同事業化契約を締結し、同社の歯髄幹細胞と持田製薬の消化器領域における知見と実績を組み合わせることで新たな治療法の創出を目指している。

MCBの構築

 歯髄幹細胞を利用した再生医療を進めるに際しては、様々な再生医療等製品の原料となる乳歯の安定供給体制の構築が不可欠である。同社では、セルテクノロジー社の買収と再編、医療機関との提携、ニコン・セル・イノベーションとの提携によりマスターセルバンクの構築を進めており、順調に進捗中である。マスターセルバンクの体制は次頁上図を参照。

SHEDの開発プラットフォームの構築

出所:同社資料を元に Omega Investment 作成

 心臓内幹細胞(CSC)関連のプロジェクト JRM-001については以下の通り。

JRM-001(心臓内幹細胞を活用した再生医療等製品の開発、対象疾患:小児先天性心疾患)

 子会社である日本再生医療で研究開発している小児先天性心疾患を対象とした、心臓内幹細胞を用いた世界初となる再生医療。生まれながらに心臓に何らかの異常をもつ小児先天性疾患は新生児に1%の割合で発症するとされ、これらの症状を改善するために、手術で得られた心臓の切片から、心臓内幹細胞を培養し、患者本人に投与することで心機能の改善を図る。

JRM-001の治療イメージ

出所:同社資料

 JRM-001は既に第三相臨床試験段階にあり、これを早期に完了させ、2022年度までに導出先を企業を選定、協業を開始。2024年度までに、製造販売承認を獲得することを目指している。JRM-001は当初は自家用途であるが、導出先企業との共同研究を行うことにより、他の心疾患への適応、及び他家展開、海外展開も視野に入れている。

バイオ新薬のパイプライン

(2021年8月31日現在)

出所:同社資料

バイオ新薬

 抗体医薬品の開発は、同社の創業時からの主要業務である。現在、世界の医薬品市場においても、バイオ医薬品のシェアは3割を超えてきており、大型の医薬品(ブロックバスター)の上位10品目中、7品目がバイオ医薬品で占められている。

 バイオ新薬事業における収益モデルは、主に研究開発段階において共同研究開発契約を締結し、同社のノウハウ等を製薬企業に提供することの対価である役務収益と、特許実施権を製薬企業に導出することによって得られる収益とに分けられる。後者には、契約一時金、開発の進捗に応じて支払われるマイルストンペイメント、及び、上市後、売上高に応じて支払われるロイヤリティペイメントが含まれる。

 同社のバイオ新薬のパイプラインは上図を参照。

GND-004(抗RAMP2抗体、対象疾患領域:眼疾患、がん)

 新規メカニズムに基づく新生血管形成を阻害する画期的な新規抗体医薬品の候補抗体の創出に成功し、国内及び国際の特許を出願した。既存の製剤が効かない眼科関連疾患の患者やべバシズマブが効かないがん患者等への治療薬候補として非臨床試験を進めており、製薬企業への導出活動を続けてゆく。

☆ 新規抗体

 がん細胞内侵入能力を有する抗体を用いた抗がん剤の開発を目的とした共同研究契約を札幌医科大学と、がん細胞殺傷効果を有する新たな抗体の取得を目的とした共同研究契約をMabGenesis株式会社と、それぞれ2020年1月に契約した。今後、共同研究を進め、製薬企業への導出を目指してゆく計画である。

 また、2021年2月に発表した中期経営計画で、新たなバイオ新薬の研究開発について公表している。それによると、悪性リンパ腫、血管炎、肺高血圧症の分野の抗体医薬品を開発する計画で、非臨床試験までは同社が、臨床試験以降は導出先の製薬企業と協力して開発し、早期の上市を目指す(詳細は、中期経営計画のチャプタを参照)。

中期経営計画

 同社は、2021年2月、2021年〜2025年度の中期経営計画を発表した。

 ポイントは、

  1. 現在の3部門による事業モデルの成長を一層加速化し、早期の収益黒字化(2022年度の営業利益黒字化)を目指す
  2. 最終年度である2025年度に、売上高 30億円、営業利益 10億円の数値目標を達成する
  3. そのために、2025年度までに、バイオシミラーで4製品を上市(既存3製品を含む)、再生医療分野での導出、新たなバイオ新薬の開発と導出先の確保、成長に必要な研究開発投資を続ける一方で、販管費等のコストの見直しを行う
  4. 2026年以降も、引続き再生医療&バイオ新薬の開発に注力し、高い収益のリターンを実現する

こととしている。

中期経営計画ロードマップ

出所:同社資料

 収益の黒字化にあたっては、好調なバイオシミラーの貢献が大きい。前述したように、実際に開発医薬品の上市まで販売による売上げが見込まれない創薬ベンチャー企業が多い中、15年近くに亘りバイオシミラーの開発を行い、同事業がポジティブなキャッシュフローを稼ぐことができた結果、従来の計画を前倒しで黒字化達成の目処が立ちつつある。バイオシミラーは投資期間が過ぎ、今後は一層高い収益が見込まれるため、ボトムラインでも貢献してこよう。

 一方、バイオ新薬の開発に関して、新たに3品目の開発目標を明らかにした。

新たに開発を計画するバイオ新薬

対象疾患

現在の治療法の課題

患者数

/市場

開発方向

悪性リンパ腫

根治療法少なく、死亡率高い

CAR-T細胞療法が開発されたが副作用強く、治療費が高額

3万人/年

720億円

(2020年度)

患者の免疫力に依存せず、悪性リンパ腫に結合し直接的に死滅させる新しい作用機序を有する抗体の研究開発中

血管炎

(川崎病など)

免疫グロブリン投与。安全性に懸念がある他、効果が十分でなく、根治療法の開発が喫緊の課題

4万人

約40億円

根本原因の物質を特定、それに対する阻害抗体を作成

肺高血圧症

血管拡張薬による治療法があるが効果は限定的

25万人

約2,500億円

根本原因候補となる物質に対す阻害抗体を作成中

出所:同社資料よりOmega Investment 作成

 創薬ベンチャーでは、やはりバイオ新薬の上市による高いリターンが投資家にとっても魅力的である。今まではバイオ新薬のパイプラインの数が限られていたが、新たに3品目の開発が公表されたことは、同社のバリュエーションにもポジティブと言えよう。今後、これらの研究開発の進捗と導出先の確保に注目したい。

 再生医療に関しては、

  1. 2022年度までに臨床試験を開始。2030年度までに3製品の上市を目標
  2. 第二世代細胞治療であるデザイナー細胞の開発にも取り組む
  3. JRM-001は、2022年度までに導出先を確保、2024年度までに製造販売承認を達成

としている。

導出先を目指す早期新薬パイプライン(SHED)

対象疾患

症状

既存治療法

患者数

既存提携先

目標

脳性まひ

四肢麻痺

姿勢障害

未確立

累計3万人/年

名古屋大学、
東京医科歯科大学

姿勢の維持、手足運動能力の向上

脊髄損傷

運動・感覚機能損失

未確立

累計10万人

名古屋大学

知覚の回復、歩行能力の向上

難治性骨折

外慢性痛、歩行障害

外科手術

10万件/年

北海道大学

総合せき損センター

手術の回避、慢性痛からの開放

出所:同社資料よりOmega Investment 作成

 再生医療に関しては、着手してまだ数年の新しい事業であるが、マスターセルバンクの構築も着実に進捗中であり、大学などの研究機関との提携も進んでいる。こちらも、進捗状況を注視したい。

 バイオシミラーは、

  1. 現在の3品目にもう1品目加え、2025年度までに4製品を上市する
  2. 製造コストを圧倒的に低減し、コスト競争力と採算性を確保するため、株式会社chromocenter、SOLA Biosciences社と共同研究を推進
  3. コスト競争力の高い新たなバイオシミラーの開発を推進する

としている。

 創薬ベンチャーにおいては、新薬の開発に毎年10億円単位の研究開発費を投資し続け、収益化が見通せず、高いリスクに見合ったリターンを投資家に提供できている企業はほとんど皆無といっていいだろう。同社は、バイオシミラーの販売により、新薬開発コストの一部をファイナンス出来ていることが大きな差別化要因となっており、中期経営計画に示した収益黒字化が見えてくれば、株価にもポジティブに働くと考えられる。

決算動向

1)2021/3期決算実績〜7.5%減収、営業損失は1.9億円縮小

 同社の2021/3期通期決算実績は、売上高 996百万円(前期比 7.5%減)、営業損失 969百万円(前期は 1,161百万円の営業損失)、経常損失 991百万円(前期は 1,187百万円の経常損失)、当期純損失 1,001百万円(前期は 7,316百万円の当期純損失)となった。

 売上高はほぼ期初計画通り。売上原価において、GBS-001の製造コスト低減を予定通り実現した結果、粗利益率は 2020/3期 39.4%→ 2021/3期 88.0%と大きく改善した。販管費において、研究開発推進のため新規採用などで人件費関連が増加したが、バイオシミラーの研究開発費の一部が次期へ繰り越したこと(100百万円弱)、及びその他パイプラインにおいて開発工程の効率化により当初想定予算より費用が削減されたため研究開発費が予算より大きく減少。その結果、営業損失は 969百万円と前期の1,161百万円の損失から改善した。

 現預金の21/3期末残高は 1,461百万円で、20/3期末比 571百万円減少。営業キャッシュ・フローは1,267百万円のマイナスであったが、転換社債型新株予約権付社債の発行及び新株予約権の行使による株式の発行による収入が合計で738百万円となり、財務活動によるキャッシュ・フローは 718百万円のプラスとなった。

 同期中の事業ハイライトは以下の通り。

a)新規バイオ事業(再生医療/細胞治療)

  • 東京大学医学部附属病院との連携による歯髄幹細胞製造の原料となる乳歯の提供を受けるための臨床研究開始
  • 北海道大学及び総合せき損センターとの歯髄幹細胞を活用した難治性骨折の治療法創出に向けた共同研究契約締結
  • JRM-001製造販売承認申請(2023年度中)に向け大きく加速 (第三相臨床試験における製造所追加)

b)バイオシミラー

  • 長春長生生物科技有限責任公司とのアダリムマブバイオ後続品の共同事業化の提携解消
  • 千寿製薬株式会社との眼科治療領域のバイオシミラーの国内での医薬品製造販売承認申請(2021年9月、承認) 

c)バイオ新薬

  • 抗ヒトα9インテグリン抗体の開発および製造・販売権に関するライセンス契約解約

d)細胞バンク・培養上清

  • 株式会社リバース及び株式会社同仁グループとの新たな歯髄幹細胞事業体制の構築

業績動向

 

決算期

売上高

(百万円)

前期比

(%)

営業利益

(百万円)

前期比

(%)

経常利益

(百万円)

前期比

(%)

当期利益

(百万円)

前期比

(%)

EPS

()

DPS

()

2018/3

1,059

-2.7

-913

-903

-904

-47.27

0.00

2019/3

1,021

-3.6

-805

-816

-856

-43.84

0.00

2020/3

1,077

-1,161

-1,187

-7,316

-264.65

0.00

2021/3

996

-7.5

-969

-991

-1,001

-34.79

0.00

2022/3(会予)

1,900

90.7

-1,720

-1,740

-1,741

-58.18

0.00

2021/3 1Q

121

-57.3

-237

-244

-244

-8.72

2022/3 1Q

303

150.1

-309

-313

-314

-10.50

注)2019/3期までは非連結、2020/3期以降連結決算となるため、連続性はない
出所:同社資料よりOmega Investment 作成

2)2022/3期1Q決算実績〜売上高 3億円(前年同期比2.5倍)、営業損失 3億円(0.7億円拡大)

 2022/3期1Q決算は、売上高 303百万円(150.1%増)、営業損失 309百万円(前期は 237百万円の営業損失)、経常損失 314百万円(前期は 244百万円の経常損失)、当期純損失 314百万円(前期は 244百万円の当期純損失)となった。

 売上高は年間計画通り。GBS-001、011に関する収益を計上。売上原価において、MCBの完成に向けた最終開発費用 96百万円を計上したこともあり、前年同期より大きく増加した(+1.1億円)。また、研究開発費においては、前期より期ズレしたGBS-007承認に向けた費用を1Qに計上したため大幅に増加。一方、引続きコスト効率化を行い、その他販管費は減少したものの、営業損失は拡大した。

 1Q中の事業ハイライトは、以下の通り。

a)新規バイオ(再生医療/細胞治療)

  • JRM-001が希少疾病用再生医療等製品に指定
  • 再生医療技術の実用化研究に特化した学術顧問の選任

b)その他

  • 乳歯歯髄幹細胞(SHED)を活用した再生医療事業モデル構築のための ChiVo Net(未来医療こどもボランティアネットワーク)の開設、および昭和大学歯科病院との連携を開始

3)2022/3期通期見通し〜売上高 19億円(91%増)、営業損失 17.2億円を計画

 同社では 2022/3期の見通しを、売上高 1,900百万円(90.7%増)、営業損失 1,720百万円(前期は969百万円の営業損失)、経常損失 1,740百万円(前期は 991百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失 1,741百万円(前期は 1,001百万円の純損失)としている。

 売上高において、既存のバイオシミラーの原薬等の販売及びロイヤリティ収入が順調に拡大すること、また、GBS-007の上市による売上寄与が見込まれている。また、一時的な変動要因として、バイオシミラー4製品目の原薬製造プロセスに関わる原薬販売、及びマスターセルバンク完成に関わる収益が見込まれるため、大幅な増収を見込んでいる。

 一方で、販管費中の研究開発費は、前期からの期ズレ分を計上することに加えて、GBS-007の商用製造に向けた最終的な開発費投資、JRM-001の臨床試験、最終製品の製造に関わる開発費用等が係ってくるため1,800百万円(前期は 969百万円)を見込んでいる。

 また、同社では2022/3期の業績予想に関して、一時的要因(バイオシミラー4製品目の製造プロセス確立、マスターセルバンク完成に関わる一時的な要因の売上及び売上原価、加えて、研究開発費中の一時的要因)を除外すると、売上高 1,350百万円、売上総利益1,000百万円、営業損失 520百万円と予想。中期経営計画で示した 2023/3月期、営業黒字化が視野に入ってきているとしている。

株価動向

 周知の通り、創薬系バイオベンチャーは短期での収益機会が限られ、赤字が長期間続くため、通常の財務分析によるバリュエーションは困難である。また、様々な企業価値評価方法による計算も、将来医薬品を上市した際の売上規模、かつ上市するまでの不確定要素を鑑みると合理的な算出は容易ではない。パイプラインの進捗状況と、新薬開発に必要な研究開発費の確保の状況等を精査し、総合的に判断するしかないであろう。

 同社の株価は2021/3期決算の発表を受けて大きく上昇。2022/3期1Q決算公表後も、更に値を切り上げている。2021年2月に発表した中期経営計画において2023/3期黒字化を示したが、実際の決算の数値、また、新たなバイオシミラーの上市や他のパイプライン品目、マスターセルバンク事業においても、着実な進捗が見られていることを、投資家が評価しているものと思われる。年初来株価上昇率は60.3%で市場平均を大きくアウトパフォームしている。

 投資家の期待が一番大きいバイオ新薬が実際に収益に貢献してくるのは、まだ先のことではあるが、目先、中期経営計画で示されたロードマップの信頼性(早期の黒字化実現、収益規模の拡大)がより一層高まれば、株価的に更にプラスに働こう。

株価推移(直近5年間)

対東証マザーズ指数チャート(直近3年間)

財務データ

 

2012/3

2013/3

2014/3

2015/3

2016/3

2017/3

2018/3

2019/3

2020/3

2021/3

損益計算書

                   

売上高

207

60

301

321

1,160

1,089

1,059

1,021

1,077

996

売上原価

91

15

141

147

500

397

422

412

653

119

売上総利益

115

45

159

174

660

692

637

609

424

876

販売費及び一般管理費

432

403

671

998

1,480

1,876

1,550

1,414

1,585

1,846

 研究開発費

264

206

412

689

1,075

1,433

1,107

945

898

964

営業損失

-316

-358

-512

-824

-820

-1,184

-913

-806

-1,161

-970

営業外収益

0

0

0

34

50

35

11

3

1

2

営業外費用

1

16

5

0

15

27

0

14

27

24

経常損失

-317

-373

-516

-790

-785

-1,176

-903

-816

-1,187

-991

特別利益

           

0

7

5

 

特別損失

     

0

 

45

 

45

6,132

8

税引前当期純損失

-317

-373

-517

-790

-785

-1,222

-902

-854

-7,314

-999

法人税等合計

3

3

2

1

1

2

1

1

2

1

当期純損失

-320

-377

-519

-792

-787

-1,224

-904

-856

-7,316

-1,001

[貸借対照表]

                   

流動資産

504

919

1,881

1,092

1,520

3,421

2,692

2,821

3,322

3,346

 現金及び預金

285

887

1,610

599

817

2,379

1,891

2,009

2,032

1,461

固定資産

3

3

4

54

173

284

332

329

269

587

 有形固定資産

1

1

0

0

2

1

1

1

1

3

 投資その他の資産

2

2

3

53

171

282

330

328

267

581

資産合計

508

922

1,886

1,146

1,694

3,706

3,025

3,151

3,592

3,933

流動負債

160

24

50

92

1,279

189

404

400

880

1,114

 短期借入金

       

810

     

25

 

固定負債

6

9

783

783

11

16

16

19

1,223

1,209

負債合計

166

34

833

876

1,290

205

421

420

2,104

2,323

純資産合計

341

888

1,052

270

403

3,500

2,604

2,731

1,487

1,610

株主資本合計

341

888

1,031

249

383

3,472

2,568

2,695

1,451

1,291

 資本金

778

1,239

1,571

1,576

2,037

4,194

100

591

611

1,032

 資本剰余金

681

1,143

1,474

1,479

1,940

4,097

3,372

3,864

9,917

10,337

 利益剰余金

-1,118

-1,495

-2,014

-2,806

-3,594

-4,818

-904

-1,760

-9,077

-10,078

評価・換算差額

       

-0

3

2

1

-21

202

新株予約権

   

21

21

21

23

32

34

57

116

負債純資産合計

508

922

1,886

1,146

1,694

3,706

3,025

3,151

3,592

3,933

[キャッシュ・フロー
 計算書]

                   

営業活動による
キャッシュ・フロー

-362

-304

-729

-970

-607

-1,759

-438

-860

-1,325

-1,267

 税引前当期純損失

-317

-373

-517

-790

-785

-1,222

-902

-854

-7,314

-999

投資活動による
キャッシュ・フロー

-0

-0

-1

-49

-121

-149

-50

-0

-137

-22

 有価証券の取得

     

-49

-116

-149

   

-100

 

財務活動による
キャッシュ・フロー

346

907

1,454

9

946

3,471

 

978

1,221

718

 株式の発行

346

917

234

9

486

3,932

 

973

40

138

現金及び現金同等物
の増減額

-15

601

722

-1,010

217

1,562

-488

118

-240

-571

現金及び現金同等物
の期首残高

301

285

887

1,610

599

817

2,379

1,891

2,009

2,032

現金及び現金同等物
の期末残高

285

887

1,610

599

817

2,379

1,891

2,009

2,032

1,461

フリーキャッシュフロー

-362

-305

-732

-1,021

-729

-1,909

-488

-860

-1,462

-1,289

会社概要

企業概要

主要事業イメージ

キッズウェル・バイオ株式会社
【本社】
東京都中央区新川1-2-12

https://www.kidswellbio.com

【研究所】
札幌市北区北21条西11丁目
北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター内

従業員数:39人

沿革

年 月      事 項
2001年 3月北海道大学遺伝子病制御研究所における免疫関連タンパク質の機能研究の成果を診断薬や治療薬として開発すること及び医薬品開発における受託サービス業務を行うことを目的として、札幌市北区に株式会社ジーンテクノサイエンスを設立(資本金 10,000千円)
2002年 6月独立行政法人産業技術総合研究所北海道センター内に研究所を新設し、バイオ新薬の研究開発を強化するとともに、バイオ後続品事業への参入について検討を開始
2003年11月研究所内に本社を移転
2007年 6月バイオ新薬事業において、科研製薬株式会社に抗α9インテグリン抗体をライセンスアウト
2007年10月バイオ後続品事業において、富士製薬工業株式会社とフィルグラスチムバイオ後続品の産生細胞及び基本生産技術をライセンスイン
2008年 4月札幌市中央区に本社を移転
2008年 5月北海道大学遺伝子病制御研究所内に研究所を移転
2008年 6月東京都中央区に東京事務所を新設
2012年11月富士製薬工業株式会社との共同開発品であるフィルグラスチムバイオ後続品について、富士製薬工業株式会社及び持田製薬株式会社が国内での製造販売商品を取得(2013年5月上市済)
2012年12月東京証券取引所マザーズに株式を上場
2013年 9月北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター内に研究所を移転
2014年 1月バイオ後続品事業において、株式会社三和化学研究所とダルベポエチンアルファの共同開発契約を締(2019年11月上市済)
2016年 3月NKリレーションズ株式会社及び合同会社Launchpad12(いずれもノーリツ鋼機株式会社の関係会社で、現在は同社に吸収合併され消滅)と資本業務提携契約を締結
2016年 6月ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社(合同会社Launchpad12から商号変更した会社)による当社株式に対する公開買付けの結果、同社の議決権所有割合が50%超となり、ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社及びノーリツ鋼機株式会社とともに同社の親会社となる
2019年 4月株式交換により株式会社セルテクノロジーを同社の完全子会社化。当該株式交換に伴う新株発行により、ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社及びノーリツ鋼機株式会社は議決権所有割合が40%未満となり、親会社でなくなるとともに、新たにその他の関係会社となる
2019年 7月東京都中央区に本社を移転
2020年 2月ノーリツ鋼機株式会社からの株式譲受により株式会社日本再生医療を完全子会社化
2020年11月株式会社セルテクノロジーの全株式譲渡により、同社を連結の範囲から除外
2021年 2月中期経営計画策定(2021年〜2025年度)、2022年度、営業黒字化、2025年度、売上30億円、営業利益10億円を目標
2021年 7月キッズウェル・バイオ株式会社に社名変更
2021年 9月ナノキャリア株式会社と乳歯歯髄幹細胞(SHED)を基盤とした強化型細胞医薬「デザイナー細胞」の開発に向けた共同研究契約を締結

マネージメント(執行役員)

代表取締役社長(CEO):谷 匡治 

東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程修了、MBA。
サントリー(株)医薬事業部、武田薬品工業(株)事業開発部、(株)ウィズ・パートナーズ・ダイレクターを経て、2014年同社執行役員、2015年取締役CFO、2017年より代表取締役社長CEOに就任。

執行役員 研究開発本部長(CTO):川上 雅之

京都大学大学院工学研究科修了(工学博士)。
富士フイルム(株)にて医薬および診断薬の研究開発に従事。Harvard Univ.と抗がん剤を共同開発し、Sandoz(現Novartis)にライセンスアウト。富山化学工業(株)(現富士フイルム富山化学(株))に出向し抗インフルエンザ薬の臨床開発に従事後、FUJIFILM Pharmaceuticals USAにて、同薬の米国臨床開発を推進。2017年同社入社。2018年執行役員CTO就任。

執行役員 事業開発本部長(CBO):紅林 伸也

マサチューセッツ工科大学理学部物理学科 修士課程修了。
ゴールドマンサックス投資銀行本部にて、投資銀行業務、企業買収・企業投資業務、Morgan Stanley投資銀行本部にて、投資銀行業務に従事。 内閣府ImPACTプログラムの立ち上げに参画。2015年より、(株)セルテクノロジーにて管理部立ち上げ、事業開発及び 上場準備を推進、2019年の会社統合により同社入社、事業開発に従事。

執行役員 経営管理本部長(CFO) :栄 靖雄

一橋大学社会学部卒。
コメルツ証券会社(コメルツ銀行子会社)東京支店及びドイツ本店にて証券営業を担当後、山之内製薬(株)(現アステラス製薬(株))に入社、主にファイナンス部門のグローバル化を推進すると共に、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を設立し主導。その後、Astellas USにてCFO、アステラス製薬(株)にて調達部長、経営推進部長(予算、財務担当)、Astellas EuropeにてVice President, Corporate Strategy & Communicationsを経て、2018年同社入社。

コーポレートガバナンス体制

機関ごとの構成員(◎は議長)

注)同社は監査役会設置会社を採用した上で、経営の監督機能と執行機能の分離を行い、執行役員制度を導入している。取締役は3名で、うち社外取締役2名。取締役、監査役合計6名中、1名が女性である。

大株主の状況

氏名又は名称所有株式数発行済株式の総数に対する所有株式数の割合(%)
ノーリツ鋼機株式会社9,471,83231.97
大友 裕一1,685,7505.69
ナノキャリア株式会社1,000,0003.38
株式会社日本カストディ銀行(証券投資信託口)834,2002.82
野村信託銀行株式会社(信託口2052241)721,0002.43
JSR株式会社686,8142.32
株式会社SBI証券638,7742.16
千寿製薬株式会社555,2001.87
小池 太郎520,0001.76
津田 謹誠436,8001.47
16,550,37055.87
注)発行済株式の総数に対する所有株式数の割合(%)は、自己株式(92株)を除く
出所:同社有価証券報告書(2021年3月期)

SDGsへの取組み

 同社では、SDGsに関して上図にあるように、新しい医療の提供を通してS(Social = 社会)に対する貢献を追求するとしている。

 具体的には、必要とされる治療薬・治療法の提供を実現しながら、こどもたち、家族、地域社会の人々の健康を維持し、企業として健全な成長を続け、持続可能な社会保障体制の維持に貢献する。

 小児を切り口にした新たな医療の実現、すなわちスローガンである「こどもの力になること。こどもが力になれること。Kids Well, All Well」の下、バイオシミラー事業にて安価で高品質な医療を実現させ、高齢者への医療費を削減し、その削減した費用をなおざりにされがちな小児疾患へと充当し、小児疾患医療の充実を図ること、そして充実した医療によって救われたこどもを含む、多くのこどもがもつ若い幹細胞の力を使って、全ての年代の方が苦しむ難病に新しい医療を提供すること。このサイクルを好循環させることで、創業時より掲げる難病、希少疾患に加え、明日を担うこども達を救うという願いを新社名に込め、これまで培ってきたバイオ技術を駆使して新たな医薬品、治療法の創出を目指している。