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Omega Investment株式会社

ユーザーローカル(Price Discovery)

Buy

Profile

 データテクノロジーとクラウド事業。ビッグデータ分析ツール、人工知能Webマーケティング支援ツール、メディア分析ツール、人工知能チャットボット運営などの研究開発を行う。2005年、伊藤将雄氏により設立。

証券コード
東証PRM3984
時価総額
33,647 百万円
業種
情報・通信

Stock Hunter’s View

技術力強みに存在感。生成AI関連は現実買い局面へシフト。

 ユーザーローカルは340億件を超えるデータに基づいた高度なビッグデータ分析と自然言語処理技術を核に、独自開発したAIサービスをSaaS形式で提供している。

 生成AI関連で人気を集めた昨年は期待先行型の相場で買いが継続しなかったが、ここへきては1Q(7〜9月)好決算、相次ぐ生成AI関連ツールの公開を受けて、実態評価の現実買いに移行している。足元では政府クラウドの提供事業者への選定、米エヌビディアとの連携期待などから人気白熱中のさくらインターネット(3778)と協力関係にあることも注目されているもよう。

 AI関連企業の要所となるテック人材の確保は順調で、現在全エンジニア中のAIエンジニア比率は70%以上に増加している。大学院卒のエンジニアが多数在籍し、平均年齢28歳の若い組織である点も特徴だ。

 成長投資の手を緩めることなく、今2024年6月期は売上高39億300万円(前期比18.7%増)、営業利益15億5600万円(同13.4%増)と前期に続く過去最高業績を計画する。デジタルマーケティングとAI DXの商品開発に生成AIを積極的に活用していく方針。

 

Investor’s View

BUY。バリュエーションからはハイリスクだが、世界的な生産性革命の可能性をポートフォリオにとりこみたい。

 トップライン成長、利益率はいずれも極めて安定的である。CFの創出能力には目をみはるものがある。キャッシュは7年間で6倍に膨れ上がり、2023年9月末の総資産の89%を占めている。このため資産は水膨れしているが、ROEに大きなダメージとなっていない。これはPL利益率が穏やかな改善を続けているからである。

 負債がなく株主資本だけの投下資本のコストは高いが、経済価値も順調に創出されている。

有望なジェネレーティブAI銘柄を見逃すべきではない

 Stock Hunterの指摘の通り、生成AIツールを相次いでスタートさせており、売り上げはすでに発生している。AI市場の将来規模を予想することは難しいが、拡大が引き続き生成AIが新たなマーケットを創出することは間違いないだろう。昨年末の株価高騰の加熱感は冷めたが、今後も当社が生成AI関連銘柄として人気を集め、バリュエーションが拡大する局面は十分考えられる。

ハイリスクだが長期ポートフォリオに組み入れたい

 バリュエーションが下がった今は買い場と考える。株価は投資家の高い期待を織り込んでおり、バリュエーションは決して割安ではない。ベータ1.17、株主プレミアム6%、過去5年間の平均成長率が持続するとの想定によるDCFフェアバリューも約1,500円と、株価にサポーティブではない。しかしながら、PBR, PERがIPO以来の長期レンジの低位にあること、株式の益回りも改善基調にある点をポジティブに捉えたい。リスクの高い投資であることに十分留意しつつ、世界産業の生産性革命という大きなテーマに直接関連のある小さな当社をポートフォリオに加えておきたいと考える。