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Omega Investment株式会社

スポーツフィールド (Company note – 3Q update)

株価(12/14)1,563 円予想配当利回り(23/12)1.9 %
52週高値/安値1,894/821.50 円ROE(22/12)71.8 %
1日出来高(3か月)31 千株営業利益率(22/12)22.2 %
時価総額57 億円ベータ(5年間)N/A
企業価値44 億円発行済株式数 3.6 百万株
PER(23/12予)10.5 倍上場市場 東証グロース
PBR(23/6実)4.6 倍
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2023年12月期第3四半期(2023年7-9月期)も好調。通期予想上方修正と配当開始を発表。

サマリー

会社概要

◇株式会社スポーツフィールド(以下、同社)はスポーツ人財に就職関連サービスを全国規模で提供している。東証グロース市場に上場。同社の2022年12月期実績は売上高28.7億円、経常利益6.3億円であり、現在の中期経計画によれば2024年12月期に売上高36.0億円、経常利益7.7億円を目指す。

◇スポーツ人財に特化、特色ある営業スタイルで市場をリード:同社の現在の主要事業は新卒のスポーツ人財、特に体育会学生に関わる就職関連サービスである。市場規模は学年あたり全国で5万人程度と推計されるが、同社はスポーツ経験者を中心とした営業社員にアナログなサポートを行う体制を構築、就職希望登録者が年々2万人程度の規模になってきた。スポーツ人財の求人を希望する企業の開拓も定着しており、特定した市場でリーディングポジションを確保しつつあるとみられる。

◇現在の主要事業:売上高の構成(2022年12月期)は体育会新卒者向けイベント39%(出展企業から出展料を受領)、体育会およびスポーツ経験者に関する新卒人財紹介事業30%(学生に就職カウンセリングを行い、就職先企業を紹介、内定承諾後に採用企業から採用コンサルティング料を受領)、既卒者向け人財紹介事業(既卒スポーツ人財に対する就職カウンセリングを行い、就職先企業を紹介、成果報酬として企業より人財紹介料を受領)からなる。

202312月期第3四半期アップデート

◇好調維持し通期会社見通しを上方修正:2023年12月期第3四半期(7-9月期)は、売上高は7.0億円(前年同期比+15%)、営業利益は0.8億円(同+22%)、経常利益0.8億円(同+24%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は0.5億円(同+18%)となり、営業基盤の強化と採用市場の改善による順調な業績拡大が続いている。期初からの累計ベースで、売上高、営業利益、経常利益がいずれも過去最高の更新を果たした。

 この結果を踏まえ、同社は通期業績見通しについて、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、一株当たり当期純利益のいずれの予想値も上方修正した。

◇配当開始へ:同社は11月20日に配当方針の変更を発表した。財務基盤の基礎が固まったとの判断から配当性向を従来のゼロから20%に引き上げ、2023年12月期末から配当支払いを開始する。予想一株配当は30円で配当利回りは1.8%になる。成長継続と資本効率に対する目配りを両立させるものでポジティブである。

◇成長を織り込み直す株価:同社の株価は第3四半期決算発表、配当開始の発表好感し急騰し、本年7月の高値1,894円をうかがう位置にある。

◇今後の注目点:第一に、来年度の成長継続の確度。特に、2025年3月卒予定の体育会学生向けスポナビ登録者数、およびスポーツ経験学生向けスポチャレ登録者の積み上がりと、同社営業スタッフによる登録者カバー率。

 第二に、既卒者向け人財紹介事業、スポーツ関連企業に特化した求人サイトであるスポジョバなど新卒以外の新たな収益基盤の確立。

 第三に、次期中期経営計画の方向性ないし大枠に関する同社からの表明。

目次

サマリー1
主要財務データ2
2023年12月期第3四半期決算3
株価動向7
今後の注目点8
業績推移9
参考情報11

主要財務データ

出所:同社資料より

2023年12月期第3四半期決算動向

 株式会社スポーツフィールド(以下、同社)は、2023年11月13日引け後、2023年12月期第3四半期(7-9月期)の決算を発表した。順調な成長が続いており、今回同社は通期会社予想を上方修正した。来期の業績を占うKPIである、2025年3月卒向けの新卒者向けイベント受注金額およびスポナビ・スポナビエージェント新規登録者数がともに順調に積み上がってきており、来期の業績拡大期待が高まっている。

過去最高を再度更新

 第3四半期累計(1-9月期)の実績は、売上高25.9億円(前年同期比+15%増)、営業利益7.1億円(同+18%増)、経常利益7.1億円(同+18%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4.6億円(同+18%増)となりいずれも過去最高を更新した。営業利益率・経常利益率も過去最高だった。売上高の内訳を見ると、新卒者向け人材紹介を中心にいずれのセグメントも順調に成長している。アフターコロナにおける求人需要の回復が、同社の築いた営業基盤に追い風となっている。

 第3四半期(7-9月期)に限れば、売上高は7.0億円(前年同期比+15%)、営業利益は0.8億円(同+22%)、経常利益0.8億円(同+24%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は0.5億円(同+18%)だった。同社は年度下半期に業績が伸びにくい季節性を抱えているが、そのようななかでも今期は増収増益を継続している。

 今回の決算発表において、会社通期予想が引き上げられた。新たな予想値は、売上高は33.8億円(従来予想31.9億円;前年度比+18%)、営業利益8.3億円(同6.8億円;+30%)、経常利益8.3億円(同6.8億円;+30%)、親会社株主に帰属する四半期純利益5.4億円(同4.4億円;+30%)である。逆算すると第4四半期においても着実に利益を伸ばすことを示唆している。同社の業績の例年の季節性から見ると強めの数値とも言えるが、11月に入ってからの修正であることを考えれば、新たな通期会社予想の確度は十分高いと推察される。額面通りにポジティブにとらえたい。

出所:同社IR資料より

新卒者向けイベント事業

 第3四半期累計売上高は9.1億円(前年同期比+9%)だった。イベント開催数は前年同期比微減だったが、オンラインイベントから来場型・大規模イベントへのシフトが進み、これが販売枠数・売上高を牽引した。

 来期の業績を占う足元の受注は引き続き好調である。2025年3月卒向けイベントに対する企業の出展ニーズは強く、その受注額の累計は2024年3月卒向けに対して累計受注額で+32%増加している。このイベント受注が順調に進むと、同社はその営業力を学生個々人の人財紹介に前倒しで充当できるため、この受注の積み上がりは、来期の成長の確度を示唆するポジティブな材料と言える。

出所:同社IR資料より

新卒者向け人財紹介事業

 第3四半期累計売上高は9.2億円(前年同期比+26%)と大きく成長した。体育会学生の登録者数を示すスポナビ登録者数は、2024年3月卒生が2023年3月卒生をやや下回ったものの、就職活動の早期化に対応し、同社社員による学生カバー率を引き上げることができたうえ、ユニーク紹介企業数も大幅に増加したため、高い成約率に至り、ユニーク紹介学生数が前年同期実績を上回っている。

出所:同社IR資料より

出所:同社IR資料より

 来期を占うもうひとつの重要なKPIである2025年3月卒の新規登録者数の積み上がりも2024年3月卒の実績ペースを上回っており、来期の成長継続を示唆している。

出所:同社IR資料より

 スポチャレ(サークル・同好会・学外スポーツチーム・高校部活経験者なども含めたスポーツ人財を対象とした就職支援サービス)の成長も続く。第3四半期累計売上高は1.4億円(前年同期比+37%)となった。登録者数、ユニーク紹介学生数が大幅に伸び、新卒者向け人財紹介事業の売上高の15%を占めるに至っている。

出所:同社IR資料より

既卒者向け人財紹介事業

 第3四半期累計売上高は6.7億円(前年同期比+11%)も過去最高となった。第3四半期のスポナビキャリア・スポチャレ転職の新規登録者数は高水準を維持しており、企業の採用需要は引き続き好調で、ユニーク紹介人財数、ユニーク紹介企業数がともに前年同期を上回って推移している。新規事業のひとつであるスポジョバ(スポーツ関連企業に特化した求人サイトでオンラインで完結するマッチングが主)からの人財紹介案件が増加し、業績に寄与している点もポジティブである。

配当性向の引き上げ発表

配当性向をゼロから20%に引き上げ配当開始

 同社は11月20日に配当方針の変更を発表した。財務基盤の基礎が固まったとの判断から配当性向を従来のゼロから20%に引き上げ、2023年12月期末から配当支払いを開始する。30円配当が予定され、配当利回りは1.8%になる。

 この配当性向の引き上げは、今後の成長継続と資本効率に対する目配りを両立させる布石となると考えられるためポジティブである。

 同社はこれまで業績が伸びる局面では現預金、および純資産が積み上がる財務構造にあり、売上高・利益額の成長が続くにつれて資本効率の低下が気がかりであった。今後は配当開始によってフローにおける内部留保率が低下し、純資産の積み上がりペースが抑制される。これは、同社の立ち位置が、中長期成長のための財務基盤拡充を継続しつつ、資本効率への目配りを強めることができる段階にステップアップしたととらえられ、ポジティブである。さらに配当を受け取ることを期待する投資家層へのアピールにもつながると考えられる。

株価動向

 同社の株価は第3四半期決算発表、配当開始の発表を好感して急騰し、本年7月の高値1,894円をうかがう位置にある。

今後の注目点

 当面の注目点を3点挙げたい。

 第一に、来年度の成長継続の確度。すでに見たように、2025年3月卒向けイベント受注額は順調に伸びていることから、今後の焦点は2025年3月卒予定の体育会学生向けスポナビ登録者数、およびスポーツ経験学生向けスポチャレ登録者の積み上がりと、同社営業スタッフによる登録者カバー率の動向が一層注目される。あわせて採用市場の熱量にも注意が必要である。

 第二に、既卒者向け人財紹介事業、スポーツ関連企業に特化した求人サイトであるスポジョバなど新卒以外の新たな収益基盤の強化である。

 第三に、次期中期経営計画の方向性について表明があるのか、またその内容はどういうものか。現行の中期経営計画(2022年~2024年)の最終年度である2024年12月期の目標額のうち利益目標については、2023年12月期に超過達成することが今回の会社予想の上方修正で明らかになった。2024年12月期業績を占うKPIも着実に伸びていることを考えると、次期中期経営計画の目指す姿が気にならざるを得ない。気が早い話ではあるが、その方向性ないし大枠について可能な範囲で同社から示唆があることを期待したい。

 その場合、計数的な損益目標に加えて、成長ドライバーの拡充方針と資本効率に対する考え方を改めて表明することを望むとともに、プライム市場移行への道筋、次に採用市場が冷え込む場合の対応策などについても漸次詳らかになることを期待したい。

業績推移

通期業績推移

決算期 2019/12 2020/12 2021/12 2022/12 2023/12 2024/12
連結・日本基準 (上場)       会社予想
(修正後)
中期経営計画
【損益計算書】            
売上高 1,918 1,883 2,130 2,866 3,381 3,600
営業利益 194 16 -32 637 828 768
経常利益 192 32 -35 634 827 767
税金等調整前当期純利益 192 32 -81 634    
親会社株主に帰属する純利益 133 17 -79 412 537  
【貸借対照表】            
資産合計 1,106 1,488 1,541 2,127    
負債合計 676 1,041 1,173 1,347    
純資産合計 430 447 368 781    
借入金合計 334 731 749 630    
【キャッシュ・フロー計算書】            
営業活動によるキャッシュ・フロー 198 -89 54 610    
投資活動によるキャッシュ・フロー -25 -32 -68 -7    
財務活動によるキャッシュ・フロー 150 396 18 -120    
フリーキャッシュフロー 173 -121 -14 602    
現金及び現金同等物の期末残高 686 962 966 1,448    
【経営効率】            
売上高経常利益率 10.0% 1.7% -1.7% 22.1% 24.5% 21.3%
ROA 14.4% 1.3% -5.2% 22.5%    
ROE 47.3% 3.9% -19.4% 71.8%    
【一株指標】単位:円            
EPS(株式分割等調整後) 41 5 -22 114 148  
BPS(株式分割等調整後) 122 127 103 216    
DPS(株式分割等調整後) 0 0 0 0 30  
【従業員数】            
連結従業員数 201 233 266 242    

単位:百万円
出所:同社IR資料よりOmega Investment作成
   一株あたり指標であるEPS、BPSは2023年4月に実施された1:2の株式分割の効果を遡及して計算。

四半期業績推移

 
2022Q1
2022Q2
2022Q3
2022Q4
2023Q1
2023Q2
2023Q3
売上高
774
862
609
619
919
971
698
 新卒者向けイベント売上高
507
267
61
292
578
267
64
 新卒者向け人財紹介売上高
79
290
354
119
92
426
396
 既卒者向け人財紹介売上高
158
277
164
176
213
247
204
 その他
28
26
29
31
34
30
32
営業利益
232
301
69
32
315
312
84
経常利益
231
301
68
31
314
312
84
親会社株主に帰属する純利益
148
196
45
23
205
202
53

単位:百万円
出所:同社IR資料よりOmega Investment作成

参考情報

主要株主の状況

氏名又は名称 所有株式数 発行済株式(自己株式を
除く)の総数に対する所
有株式数の割合(%)
篠﨑 克志 409,000 22.62
伊地知 和義 209,600 11.59
加地 正 209,600 11.59
森本 翔太 209,600 11.59
楽天証券株式会社 27,400 1.51
スポーツフィールド従業員持株会 25,200 1.39
野村證券株式会社 19,700 1.08
重森 豊太郎 16,800 0.92
NOMURA PB NOMIN EES (常任代理人:野村證券株式会社) 16,200 0.89
医療法人ヒポクラテス竹村内科腎 クリニック 16,000 0.88
竹村 克己 16,000 0.88
1,175,100 64.99

株主構成