証券コード |
東証PRM:8141 |
時価総額 |
43,104 百万円 |
業種 |
卸売業 |
電子部品や組立製品の販売、輸出入を行う半導体商社。取扱商品は、メモリー製品、マイクロコンピュータ、システム大規模集積回路、半導体、コンデンサー、フェライトコア、カラー液晶など。車載用および産業用のルネサスエレクトロニクス(東証プライム 6723)製品が主力。
高利回りのPBR1倍割れ銘柄。業績・配当予想は保守的。
「好業績、割安、高配当利回り」の三拍子揃いで見直し買いが広がりつつある半導体商社株の中でも、新光商事は出遅れが目立つ。PBR1倍割れ銘柄で配当利回りは4.7%(6月1日終値ベース)。
2024年3月期は5.1%減収、29.9%営業減益見通しだが、保守的な業績ガイダンスは例年通り。連結配当性向は50%を目安としており、年間配当53円(前期は69円)の減配予想もゆくゆくは見直されよう。
業績好調のルネサスエレクトロニクスの販売代理店であることに加え、中期経営計画における当期純利益予想を従来の25年3月期に37億円→26年3月期に50億円へと引き上げていることから、先行きにはある程度の自信を持っているものとみられる。前期は産業用ロボット向け、半導体製造装置向けのほか、自動車電装機器関連(液晶製品)、家庭用プリンター向け販売などが好調だった。
中期的には、先端半導体の国産を目指す国策会社ラピダスが北海道と一体でハイテク企業の一大拠点「北海道バレー構想」を進める意向を示しており、札幌に設計・開発拠点を構える同社にも追い風となりそう。
Trading BUY。
半導体市場の早期回復が期待される
予測が困難な半導体マーケットであるが、底入れ局面にあるとの見方が半導体関連銘柄への人気を支えている。LCDやMLCCなど、一部デバイスでは在庫調整が完了している。ハイパースケーラーは投資を一時的に削減しながらもその需要は強い。サーバーのプラットフォームのアップグレードトランジションの可能性はプラスである。PCは底打ちから少し上向き、モバイルコンシューマーは引き続きダウン。産業用は横ばいから底入れ。自動車は日本のメーカーが下半期にかけて、生産台数を強く見ていることがプラス。ADAS、EV関連需要は追い風だが、まだマーケットは大きくない。中国需要は不透明。大きな流れとしては、これまでにマーケットサイクルの牽引役はスマホからデータセンター、さらにDXへと進展してきたが、次の牽引役としてGX、生成AIが期待されている。
長期保有の魅力はないが、短期では面白い
当社のファンダメンタルズはシクリカルである。出遅れた株価、高い配当利回り、安いバリュエーションを市場サイクルの底で買うことは、短期的な投資戦略としてもっともである。反面、半導体商社での合従連衡の可能性を除けば、長期保有の魅力に乏しい。中期経営計画が想定通りに達成されるかは半導体市場の動向次第であり、高い目標は評価したいが、株価に織り込むべき数字ではないであろう。低いPBRはビジネスのクオリティを反映したマルチプルと考える。