Japanese Home
Omega Investment株式会社

キッズウェル・バイオ(Company note 2Q update)

株価(11/24)511 円PER(21/3予)– 倍
52週高値/安値864/393 円PBR(21/3実)8.67 倍
1日売買代金(22日平均)76 百万円ROE(21/3実)-68.50%
発行済株式数31.434 百万株時価総額160 億円
上場市場マザーズ自己資本比率(21/9)48.0%
本ページのPDF版はこちら
4584KWB2021Q2_JN1125

期初計画通りに進捗
SHEDはマスターセルバンクのGMP製造開始

◇2022/3期2Q決算実績:前年同期比4倍増収、損失幅は縮小

 同社の2022/3期2Q決算実績は、売上高 740百万円(前年同期比 324.5%増)、営業損失 450百万円(前年同期は 682百万円の営業損失)、経常損失 463百万円(前年同期は 693百万円の経常損失)、四半期純損失 463百万円(前年同期は 696百万円の四半期純損失)となった。

 現在の売上の主力であるバイオシミラー(BS)において、フィルグラスチムBS(GBS-001)及びダルベポエチンアルファBS(GBS-011)が好調に推移。また、バイオシミラー第4品目の原薬製造プロセス開発に関わる原薬販売を計上した。一方で、再生医療事業中のSHEDに関わるマスターセルバンク(MCB)完成に向けた最終開発費用を売上原価に計上。売上総利益率は、前年同期比 14.3pt低下した。販管費中の研究開発費は、前期から期ずれしたラニビズマブBS(GBS-007)承認に向けた開発投資を計上している。継続的なコスト効率化に努め、その他販管費は前期比 27百万円減少した。その結果、営業利益を始め各利益段階で前年同期より赤字幅が縮小している。

 貸借対照表においては、2021年3月末比で現金及び預金が 486百万円減少、一方、仕掛品が237百万円増加し、資産合計は、3,859百万円(2021年3月末は 3,933百万円)となった。

◇バイオシミラー事業:GBS-007が製造販売承認を取得

GBS-007:バイオシミラー事業3製品目が製造販売承認取得。加齢黄斑変性症の治療薬、抗VEGF抗体薬ラニビズマブのバイオシミラーで千寿製薬が開発パートナー。眼科領域では初のBSとなる。抗VEGF抗体薬市場は国内だけで2020年度約1,000億円弱。うち、直接の競合と考えられるルセンティス(ノバルティスファーマ)だけでも約270億円で、薬剤にもよるが通常BSが導入されると数量ベースで半分以上のシェアを取るものもある。千寿製薬との契約内容については詳にされていないが、製造販売承認を取得したことにより、今期より収益貢献が見込まれている。

GBS-001, GBS-011: 既に提携先より上市されているBS、GBS-001及びGBS-011については、それぞれ原薬販売、ロイヤリティによる収益が順調に推移。継続的な原価低減策も講じており、収益性の向上に努めている。

第4のバイオシミラー:上記3品目に加えて、同社では第4のバイオシミラーの開発が進展中。今2Qには原薬製造プロセス開発に関わる原薬販売を計上しており、中期経営計画において2025年度までの上市を目標としている。

決算期

売上高

(百万円)

前期比

(%)

営業利益

(百万円)

前期比

(%)

経常利益

(百万円)

前期比

(%)

当期利益

(百万円)

前期比

(%)

EPS

(円)

2018/3

1,059

-2.7

-913

-903

-904

-47.27

2019/3

1,021

-3.6

-805

-816

-856

-43.84

2020/3

1,077

-1,161

-1,187

-7,316

-264.65

2021/3

996

-7.5

-969

-991

-1,001

-34.79

2022/3(会予)

1,900

90.7

-1,720

-1,740

-1,323

-58.18

2021/3 2Q

174

-44.4

-682

-693

-696

-24.49

2022/3 2Q

740

324.5

-450

-463

-463

-15.30

バイオシミラー事業パイプラインの進捗

注)2021年11月15日現在。が2Q中の新たな進捗。
出所:同社資料

◇再生医療事業:マスターセルバンクの構築、デザイナー細胞共同研究開始

 同社が今後の注力事業としている再生医療事業において、SHED供給体制及びデザイナー細胞分野において進展がみられた。

*SHED:SHED事業を進めるにあたっては、先ず同研究開発に必要な原料の安定供給体制の確立が重要な要素となる。同社では、同事業に進出するにあたり、過去数年にわたって同体制の構築に先行投資を行ってきた。今回、マスターセルバンク(MCB)の完成に向けたGMP製造が開始したことで、SHED事業の進展が大きく加速したと言えよう。 同社では製造体制をS-QuatreSM(SHED Source Supply Service、乳歯歯髄幹細胞中間製品提供サービス)と命名。細胞医薬だけでなく、臨床用エクソソームの製造原料等としても提供して行く計画である。

MCBにより再生医療事業(SHED)が加速

出所:同社資料

デザイナー細胞:同社では高い治療目標を達成するために、強化型細胞治療である「デザイナー細胞」の開発にも取り組んでいる。同社は、9月8日、ナノキャリア株式会社と共同研究契約を締結したことを発表。ナノキャリアが有するナノミセルを活用した遺伝子デリバリー技術と、同社のSHEDを組み合わせることで、主にSHEDへの効率的なmRNA導入法の開発と、当該法により蘇生した治療効果や疾患部位指向性を強化し遺伝子導入型デザイナーSHEDの有効性検証を共同研究する。

◇通期見通し及び中期経営計画の進捗

2022/3期通期見通し: 今2Q決算の公表にあたり、同社では今通期見通しについては期初予想通りとしている。売上高の進捗率は4割弱であるが、この後、今期中にGBS-007の収入が見込まれることを織り込んでいる。また、今期の一時的要因(MCB完成による一時的な売上及び売上原価、並びにBS第4製品目の原薬製造プロセス開発に関する原薬売上及び売上原価)を取り除くと、粗利益ベースで通期10億円が視野に入ってきている。

2023/3期黒字化目標:同社の中期経営計画では、2023/3期の黒字化を目標に掲げている。2023/3期は、GBS-007の売上が通期で貢献してくることに加え、開発マイルストン収入なども見込まれる模様。また、上述のように既に粗利益ベースで10億円を確保する一方で、GBS-007の製造開発費はピークアウトする等、導出加速に向けてメリハリの利いた研究開発投資を実施。その他販管費もコスト管理を徹底することにより、同期黒字化達成がターゲットに入ってきていると見ていいようだ。

財務データ

 

2020/3

     

2021/3

     

2022/3

 
 

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

損益計算書

                   

売上高

284

30

419

345

121

53

547

276

303

438

売上原価

77

8

359

209

5

35

46

34

122

154

売上総利益

207

22

60

136

116

19

500

242

182

283

販売費及び一般管理費

417

423

381

365

354

463

465

565

491

425

 研究開発費

235

249

201

213

138

265

198

363

297

236

営業損失

-210

-401

-321

-229

-238

-445

36

-323

-309

-142

営業外収益

0

0

1

0

0

1

1

1

2

0

営業外費用

2

1

20

4

7

5

4

8

6

8

経常損失

-212

-402

-340

-233

-244

-450

33

-330

-314

-150

特別利益

4

0

0

2

特別損失

5,939

0

0

194

0

1

8

0

税引前当期純損失

-6,147

-402

-340

-425

-244

-451

26

-331

-314

-148

法人税等合計

1

0

3

-2

1

0

0

1

0

1

当期純損失

-6,147

-403

-342

-424

-245

-451

25

-330

-314

-149

貸借対照表

                   

流動資産

2,761

2,390

3,238

3,322

3,573

3,218

3,329

3,346

2,794

3,203

 現金同等物及び短期性有価証券

1,654

1,602

2,482

2,033

2,658

2,502

1,830

1,461

874

974

固定資産

330

427

418

270

379

393

340

588

728

656

 有形固定資産

2

2

2

2

2

2

2

3

3

2

 投資その他の資産

328

425

416

268

374

389

336

582

722

651

資産合計

3,091

2,817

3,656

3,592

3,952

3,611

3,670

3,934

3,522

3,859

流動負債

421

550

529

881

772

858

925

1,114

823

1,034

 短期借入金

25

25

25

25

25

固定負債

25

24

1,224

1,224

1,384

1,287

1,231

1,209

1,051

826

 長期借入債務

1,200

1,200

1,340

1,240

1,200

1,100

900

700

  長期借入金

600

600

600

600

600

600

600

600

  転換社債

600

600

740

640

600

500

300

100

負債合計

446

573

1,752

2,105

2,156

2,145

2,156

2,324

1,873

1,860

純資産合計

2,644

2,244

1,904

1,487

1,796

1,466

1,514

1,610

1,648

1,999

株主資本合計

2,644

2,244

1,904

1,487

1,796

1,466

1,514

1,610

1,648

1,999

 資本金

612

612

612

612

842

892

912

1,032

1,150

1,420

 資本剰余金

9,917

9,917

9,917

9,917

10,147

10,197

10,217

10,338

10,456

10,725

 利益剰余金

-7,908

-8,311

-8,653

-9,077

-9,322

-9,773

-9,748

-10,079

-10,393

-10,542

 新株予約権

38

43

51

57

70

82

101

116

134

145

負債純資産合計

3,091

2,817

3,656

3,592

3,952

3,611

3,670

3,934

3,522

3,859

[キャッシュ・フロー計算書]

                   

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

-604

 

-1,325

 

-104

 

-1,267

 

-857

 税引前当期純損失

 

-6,548

 

-7,314

 

-695

 

-999

 

-462

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

-106

 

-137

 

-5

 

-22

 

 無形固定資産の取得による支出

 –

 –

 -3

-3

 –

 投資有価証券の取得による支出

 

-100

 

-100

 

 –

 

 –

 

 –

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

40

 

1,221

 

579

 

718

 

370

 転換社債型新株予約権付社債の発行による収入

 

 –

 

599

 

599

 

 599

 

 –

 新株予約権の行使による株式の発行による収入

 

40

 

40

 

 –

 

138

 

370

 新株予約権の発行による収入

 

 –

 

3

 

4

 

4

 

 –

現金及び現金同等物の増減額

 

-670

 

-240

 

468

 

-571

 

-486

現金及び現金同等物の期首残高

 

2,009

 

2,009

 

2,032

 

2,032

 

1,461

現金及び現金同等物の四半期末残高

 

1,602

 

2,032

 

2,501

 

1,461

 

974