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Omega Investment株式会社

リックソフト (Investment report – 1Q update)

株価(8/13)720 円予想配当利回り(27/2予)0.0 %
52週高値/安値685/1,230 円ROE(26/2実)8.3 %
1日出来高(3か月)4.1 千株営業利益率(26/2実)3.5 %
時価総額32.8 億円ベータ(5年間)0.10
企業価値19.3 億円発行済株式数 4.550 百万株
PER(27/2予)20.2 倍上場市場 東証グロース
PBR(25/2実)1.0 倍
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安定した2027年2月期第1四半期と厚い現金残高。将来収益の視認性が高まる。

投資判断

現在株価は、構造改革に伴う減益だけでなく、本業の収益力そのものに対する強い懸念まで織り込んだ水準にある。しかし、こうした悲観的な株価評価は2027年2月期第1四半期の内容と整合しない。売上総利益率の反転はまだ確認できないものの、プロフェッショナルサービスの成長、営業利益率の維持、契約負債の増加を踏まえると、収益基盤は会社計画が示すほど弱くない。現在株価705円では、新規投資を前向きに検討すべきであろう。

第1四半期の売上高は28.40億円、前年同期比1.1%減、営業利益は1.25億円、同3.3%減だった。前年同期にライセンスの駆け込み需要があったため、表面上の減収を需要後退と捉える必要はない。テクノロジーソリューション売上が4.1%減少した一方、プロフェッショナルサービス売上は16.3%増、自社プロダクト売上は5.0%増となった。営業利益率は前年同期の4.5%に対し4.4%を維持した。

前回レポートでは、契約負債とプロフェッショナルサービスの成長を評価する一方、売上総利益率の反転が確認できていないことを理由に保有維持とした。この懸念は残る。第1四半期の売上総利益率は21.4%と前年同期の21.8%を下回り、粗利率が底を打ったとはまだ判断できない。

一方、同社の財務安全性は引き続き評価できる。第1四半期末の現金及び預金は39.02億円で、有利子負債はない。株価705円、発行済株式数約455万株を前提とした時価総額約32.08億円を上回っており、財務面での下値耐性は強い。ただし、現金残高の全額を直ちに株主還元や成長投資へ充当できる余剰資金とみなすのではなく、事業運営に必要な資金を踏まえて評価する必要がある。また、契約負債は49.86億円、前払費用は40.89億円に達した。契約負債は顧客から受け取った将来売上の前受けであり、前払費用は主としてそれに対応するライセンス原価等の先払いである。両者は将来の追加的な入出金を直接示すものではないが、将来売上とそれに対応する原価がすでに相当程度確定していることを示しており、収益の視認性を高める要素として前向きに評価できる。

投資判断を強める理由は、現金残高をそのまま株主価値とみなすからではない。現金及び預金が時価総額を上回る財務基盤に加え、契約負債の積み上がりによって将来売上の視認性が高まっている。さらに、第1四半期の利益進捗と事業構成は、現在の低い株価評価ほど弱くない。

1. 1四半期決算と通期計画

2027年2月期第1四半期の売上高は28.40億円、前年同期比1.1%減、売上総利益は6.07億円、同2.9%減、営業利益は1.25億円、同3.3%減だった。前年同期に計上した為替差損が今期はなかったため、経常利益は1.27億円、同31.2%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は0.92億円、同24.8%増となった。

サービス別では、テクノロジーソリューションが22.59億円、前年同期比4.1%減、プロフェッショナルサービスが3.90億円、同16.3%増、自社プロダクトが1.91億円、同5.0%増だった。売上構成比は、プロフェッショナルサービスが11.7%から13.7%へ、自社プロダクトが6.3%から6.8%へ上昇した。売上規模を作るライセンス関連が減少する一方、利益率改善を担う二つの領域が伸びた点には着目したい。

売上総利益率は21.4%と前年同期から0.4ポイント低下した。ライセンス原価の上昇は引き続き収益性を圧迫している。一方、販管費は4.81億円、前年同期比2.7%減、販管費率は17.0%となり、営業利益率は4.4%を維持した。粗利率の問題は解消していないが、プロフェッショナルサービスの利益寄与と費用管理によって、営業利益率の悪化は止まっている。

通期会社計画は、売上高121.95億円、前期比12.0%増、営業利益2.00億円、同46.7%減、経常利益2.00億円、同43.8%減、親会社株主に帰属する当期純利益1.60億円、同39.3%減である。第1四半期の進捗率は売上高23.3%、営業利益62.6%、経常利益63.7%、当期純利益58.0%となった。

残り9カ月の営業利益計画は0.75億円にすぎない。会社は構造改革中であることを理由に計画を据え置いており、人的投資、海外事業、組織再編に伴う費用が下期に増える可能性はある。それでも、第2四半期以降の営業利益率が大きく低下しなければ、通期利益が会社計画を上回る可能性は高い。通期計画の上方修正は、最も分かりやすい株価見直しの契機となる。

2. 事業構造とReignite2030

同社の収益構造は、テクノロジーソリューションを顧客獲得と売上規模の基盤とし、プロフェッショナルサービスで顧客接点を利益へ転換し、自社プロダクトで継続収益と海外成長を狙う構成である。三つの事業は単独で評価するより、ライセンス導入を起点にコンサルティング、設計、運用、自社製品へ取引を広げる一連の関係として見る必要がある。

テクノロジーソリューションはAtlassian製品を中心としたライセンス、クラウド移行、周辺ソフトウェアの導入を通じて、大企業顧客との接点を作る。売上規模は大きいが、仕入原価の影響を受けるため、この事業だけで利益率を引き上げることは難しい。主要KPIは、クラウド版とオンプレミス版の売上構成、更新率、大口顧客数、顧客当たり売上である。

プロフェッショナルサービスは、コンサルティング、設計、システム構築、運用、研修を提供し、顧客の業務プロセスに深く関与する。案件単価、受注残、要員数、稼働率、継続契約率が売上と利益を動かす。第1四半期の16.3%増は、Reignite2030が目指す戦略パートナー型への移行が進んでいることを示すが、全社粗利率の上昇まで確認できて初めて、事業転換が株主価値へ結び付いたと評価できる。

自社プロダクトは、Atlassian製品を補完するソフトウェアを国内外へ販売する。追加販売に必要な人員を抑えながら顧客数を増やせれば、全社利益率とROICの改善に寄与する。主要KPIは、国内外の契約数、更新率、解約率、顧客当たり売上、海外売上比率である。

Reignite2030では、2030年までに累計60億円規模の投資を実行し、2030年にEBITDA30億円を目指す。投資対象は、ビジネスモデル変革、コンサルティング事業の基盤整備、業界別専門チーム、海外展開、人材採用、企業取得である。方向性は妥当だが、2026年2月期EBITDA約4.35億円との距離は大きい。年度ごとの投資額、増員数、受注額、売上総利益、EBITDAへの貢献を示すことが、長期計画の評価を高める。

海外展開では、米国子会社に加え、ベトナム企業との提携、Ricksoft Singaporeの設置を進めている。海外戦略には、自社プロダクトの販売地域拡大と、日本企業の海外拠点を含む導入支援の二つの役割がある。現時点では海外拠点別の売上高、受注額、利益、顧客数の開示が限られるため、株価評価への寄与は小さい。今後は、拠点数ではなく、共同案件、顧客数、売上総利益、利益貢献の定量化が重要になる。

3. 契約負債と将来収益

売上の視認性は高まった。今後は収益性への寄与に注目

契約負債は2026年2月期末の44.76億円から、第1四半期末には49.86億円へ増加した。3カ月間の増加額は5.10億円で、前年同期比では50.8%増となった。契約負債は総資産の約半分を占める。

契約負債は、顧客から先に受け取った代金のうち、まだ売上として認識していない部分である。同社では、顧客から代金を受け取った時点で契約負債を計上し、Atlassianなどの仕入先へライセンス代金を支払った時点で前払費用を計上する。その後、契約期間の経過に応じて、契約負債は売上高へ、前払費用は売上原価へ振り替えられる。したがって、両者は将来の追加的な入出金を直接示すものではなく、今後損益として認識される売上と原価の積み上がりを示している。

クラウドライセンス、サポート、運用支援などの長期契約が増えれば、将来売上の視認性は高まる。顧客との関係が単発のライセンス販売から継続的な支援へ移行している点でも、Reignite2030が目指す戦略パートナー型の事業モデルと整合する。

一方、契約負債の増加が株主価値の向上につながるためには、将来の売上計上時に十分な利益を確保することが重要である。契約負債と前払費用は主として同じ契約の売上側と原価側を表すが、開示資料上、両者が完全に一対一で対応しているとは確認できない。このため、契約負債の伸びだけで将来利益を判断することは難しく、売上への振替時にどの程度の売上総利益が生じるかが重要となる。

今後は契約負債残高に加え、契約負債から売上へ振り替えられる金額、対応する前払費用、売上転換時の売上総利益額を確認したい。受注と将来売上の基盤は着実に積み上がっており、今後の焦点は、それらがどの程度の利益率で売上と利益へ結び付くかにある。

4. 財務、資本効率、資本配分

厚い現金残高と契約負債の積み上がり。評価の焦点は将来売上の利益化へ

第1四半期末の現金及び預金は39.02億円で、有利子負債はない。現在株価705円を前提とした時価総額は約32.08億円であり、現金残高が時価総額を上回る点は、財務面から見た下値耐性を示している。一方で、同社の貸借対照表には契約負債49.86億円、前払費用40.89億円が計上されている。これは、顧客からの前受けと仕入先への先払いが同時に発生する事業構造を反映したものであり、契約負債の増加は将来売上の視認性向上として前向きに評価できる。今後の重要点は、契約負債が売上へ振り替えられる際に、どの程度の売上総利益を伴うかである。

項目 金額
時価総額 32.08億円
現金及び預金 39.02億円
契約負債 49.86億円
前払費用 40.89億円

表に示す通り、第1四半期末の現金及び預金39.02億円は、現在株価705円を前提とした時価総額約32.08億円を上回る。ただし、これは現金残高の全額を余剰資金、あるいは直ちに株主価値へ還元可能な資金とみなすことを意味しない。構造改革、人材投資、海外展開、日常の事業運営には一定の資金を要するためである。それでも、有利子負債がなく、現金残高が時価総額を上回る財務構造は、株価下落局面における下値耐性を支える要素として評価できる。一方、契約負債49.86億円と前払費用40.89億円の積み上がりは、将来売上とそれに対応する原価が相当程度確定していることを示している。両者は将来の追加的な入出金を直接示すものではないため、現金残高から差し引いて評価するのではなく、将来収益の視認性を測る指標として捉えるのが適切である。評価上の焦点は、契約負債が売上へ振り替えられる際に、どの程度の売上総利益率とキャッシュ創出力を確保できるかにある。

予想ROEは4.8%であり、成長企業として高い水準ではない。2021年2月期から2026年2月期にかけて、売上高は44.31億円から108.93億円へ増加した一方、営業利益率は13.6%から3.5%へ、ROEは26.7%から8.3%へ低下した。売上成長に対して利益率と資本効率が低下したことが、株価評価を押し下げてきた。

資本配分では、2030年までの累計60億円投資と株主還元の関係を明確にすることが重要である。事業運営と成長投資に必要な財務余力を確保したうえで、残余資金について、企業取得、人材投資、自社株式取得、配当の優先順位と金額枠が示されれば、株式市場は現金の価値を評価しやすくなる。

5. 株価、バリュエーション、市場期待

過去5年の株価は、売上成長よりも収益性低下を重く反映してきた。2021年から2022年前半は、DX需要、クラウド移行、Atlassian関連事業の成長期待を背景に、株価は1,500円台から2,000円台を中心に推移した。その後も売上高は増加したが、売上総利益率と営業利益率の低下が続き、株価の評価倍率は段階的に低下した。

2025年から2026年初めにかけては、おおむね800円から1,100円の範囲で推移したが、2026年2月期の増収減益と2027年2月期の大幅減益計画を受けて下落した。株価705円ではPBRが0.96倍となり、4月以降に一段と低下している。業績が安定し、契約負債が増えているにもかかわらず株価が冴えない背景は、売上成長がEPS成長に結び付いていないこと、無配が続いていること、長期投資の収益性を市場がまだ評価しにくいこと、株式流動性が低いことにある。

顧客需要や財務安全性が弱いからではなく、収益性、資本配分、長期計画の実現可能性、株式流動性に対する市場の見方が、なお慎重なためである。

株価705円と予想EPS35.5円から計算した予想PERは19.9倍である。株主資本コストを8.0%とする簡便な利益還元モデルでは、株価に織り込まれた長期EPS成長率は約3.0%となる。株主資本コストを8.5%とすれば約3.5%、9.0%とすれば約4.0%であり、市場が求める長期EPS成長率はおおむね年率3%から4%と考えられる。

一方、2021年2月期のEPS103.6円から2026年2月期のEPS58.7円までの5年間CAGRはマイナス10.7%である。同期間の売上高CAGRは19.7%であり、売上の拡大がEPS成長へ結び付かなかった。過去実績と比べれば市場は利益回復を織り込んでいるが、会社予想EPS35.5円が構造改革期の底に近いなら、年率3%から4%の成長率は高い要求ではない。

三法による適正株価

PBR法では、実績BPS737円に対し適正PBRを1.0倍から1.3倍とした。予想ROE4.8%と無配継続は評価倍率を抑える一方、現金及び預金が時価総額を上回る財務基盤と黒字事業を考慮すると、PBR1倍を恒常的に下回る水準を適正とは考えにくい。適正株価は737円から958円、中心値は848円とした。

DCF法では、会社計画を起点に営業利益とフリーキャッシュフローが段階的に回復する前提とした。割引率は8.0%から9.0%、永久成長率は1.0%とし、2030年EBITDA30億円は全面的に織り込んでいない。現金は単純ネットキャッシュではなく、通常運転資金も考慮した。適正株価は900円から1,250円、中心値は1,075円とした。

ROIC法では、足元の資本効率低下を反映しつつ、プロフェッショナルサービスの成長により中期的にROICが6%から8%へ回復する前提とした。適正株価は800円から1,050円、中心値は925円とした。

手法 前提 適正株価レンジ 中心値
PBR法 BPS737円、PBR1.0倍から1.3倍 737円から958円 848円
DCF法 割引率8.0%から9.0%、永久成長率1.0%、 900円から1,250円 1,075円
ROIC法 中期ROIC6%から8% 800円から1,050円 925円

三法の中心値は848円、1,075円、925円であり、中央値は925円となる。総合レンジは737円から1,250円である。現在株価705円はレンジの下限を下回り、中央値までの上昇率は31.2%となる。

6. 株主構成

FactSetデータでは、主要保有者の合計保有比率は67.84%である。HSが43.95%、光通信が10.27%、スパークス・アセット・マネジメントが3.72%、大貫浩氏が3.28%、服部典生氏が2.47%、さわかみ投信が1.91%を保有している。直近6カ月の保有株数変化はいずれもゼロと記載されている。

安定株主の存在は、短期的な大量売却を抑え、会社が中長期の構造改革を進めやすくする。一方、上位株主への集中により市場で取引される株式数は限られ、機関投資家が一定規模の株式を取得しにくい。株主構成は株価の下値を支え得るが、流動性の低さは株価評価の広がりを抑える。今後は、出来高、光通信の保有動向、自己株式の活用、IR活動による投資家層の拡大を確認したい。

7. 株価見直しの条件とモニタリング項目

最も直接的な株価見直しの契機は、通期利益計画の上方修正である。第1四半期の営業利益進捗率は62.6%に達した。第2四半期も営業利益率が安定すれば、構造改革による減益が会社計画ほど大きくないことが示される。

次に重要なのは、売上総利益率の反転である。プロフェッショナルサービスの成長が売上構成比の上昇だけでなく、全社粗利額と営業利益率の上昇へつながれば、構造改革の成果を確認できる。契約負債については、残高増加だけでなく、売上への振替額、対応する前払費用、売上総利益への寄与を示す開示が望まれる。

資本配分では、事業運営と成長投資に必要な財務余力を確保したうえで、残余資金について、成長投資、企業取得、自社株式取得、配当の優先順位と金額を明確にすることが重要である。海外事業では、Ricksoft Singaporeとベトナム事業の受注額、売上高、顧客数、利益貢献を確認したい。

確認項目 投資上の意味
売上総利益率と粗利額 ライセンス原価上昇が止まり、サービス構成改善が利益へつながったか
プロフェッショナルサービス 売上成長率、構成比、案件単価、要員数、稼働率
契約負債と前払費用 将来売上の増加と、対応する仕入負担のバランス
契約負債の売上振替 積み上がった契約がどの程度の粗利で売上へ転換したか
自社プロダクト 国内外の契約数、更新率、解約率、海外売上比率
営業キャッシュフロー 契約負債、前払費用、仕入債務の変動を除いた現金創出力
ROIC 累計60億円の投資が資本コストを上回る利益を生むか
資本配分 成長投資、企業取得、自社株式取得、配当の優先順位と金額

三法による適正株価

PBR法では、実績BPS737円に対し適正PBRを1.0倍から1.3倍とした。予想ROE4.8%と無配継続は評価倍率を抑える一方、黒字事業を考慮すると、PBR1倍を恒常的に下回る水準を適正とは考えにくい。適正株価は737円から958円、中心値は848円とした。

DCF法では、会社計画を起点に営業利益とフリーキャッシュフローが段階的に回復する前提とした。割引率は8.0%から9.0%、永久成長率は1.0%とし、2030年EBITDA30億円は全面的に織り込んでいない。現金は単純ネットキャッシュではなく、通常運転資金も考慮した。適正株価は900円から1,250円、中心値は1,075円とした。

ROIC法では、足元の資本効率低下を反映しつつ、プロフェッショナルサービスの成長により中期的にROICが6%から8%へ回復する前提とした。適正株価は800円から1,050円、中心値は925円とした。

8. 最終評価

第1四半期は、売上総利益率の問題が解消した決算ではない。ライセンス原価の上昇は続き、粗利率は前年同期を下回った。前回レポートで指摘した収益性への懸念は残る。

一方、プロフェッショナルサービスは16.3%増、自社プロダクトは5.0%増となり、営業利益率は4.4%を維持した。契約負債は49.86億円へ増加し、営業利益は通期計画の62.6%に達した。顧客需要、将来売上の基盤、財務安全性は崩れていない。

同社の第1四半期末の現金及び預金は39.02億円で、有利子負債はない。現在株価705円を前提とした時価総額約32.08億円を上回っており、財務面での下値耐性は強い。ただし、現金残高の全額を直ちに株主価値へ帰属する余剰資金とみなすべきではなく、構造改革、人材投資、海外展開及び通常の事業運営に必要な資金を踏まえて評価する必要がある。契約負債49.86億円と前払費用40.89億円は、将来売上と対応原価の積み上がりを示す会計項目であり、現金残高から機械的に控除するのではなく、将来収益の視認性を高める材料として捉えるのが適切である。

三法による適正株価の中央値は925円、レンジは737円から1,250円となった。現在株価705円はレンジの下限を下回る。株価見直しには、売上総利益率の反転、通期利益計画の上方修正、資本配分の数値化が必要であるが、第1四半期は利益率の急速な悪化が続いていないことを示した。

同社株の投資上の魅力は、現金残高だけに依存しない。時価総額を上回る現金を有する財務基盤に加え、契約負債の積み上がりによる将来売上の視認性、プロフェッショナルサービスの成長、第1四半期の高い利益進捗が確認できる。売上総利益率の反転はまだ確認できていないが、現在株価705円では新規投資を肯定し、保有株主についても保有継続が妥当と判断する。

*注記

本レポートの数値は、会社公表資料、FactSetデータ及び提供資料を基に作成した。

主要株価関連データ

主要財務データ

単位: 百万円 2022 2023 2024 2025 2026 2027
会社予想
売上高 4,308 5,623 7,491 9,044 10,893 12,195
EBIT(営業利益) 437 547 666 459 377 200
税引前収益 450 567 350 462 357 200
親会社株主帰属利益 327 424 269 356 264 160
現金・預金 2,089 3,071 3,158 3,297 3,939  
総資産 2,939 4,577 5,971 6,687 9,633  
債務合計 0 0 0 0 0  
純有利子負債 -2,089 -3,071 -3,158 -3,297 -3,939  
負債総額 684 2,103 3,203 3,658 6,316  
株主資本 2,255 2,474 2,768 3,029 3,316  
営業活動によるキャッシュフロー 161 978 100 377 697  
設備投資額 61 25 30 95 18  
投資活動によるキャッシュフロー -47 -27 -37 -140 -35  
財務活動によるキャッシュフロー 23 18 7 -91 0  
フリーキャッシュフロー 110 968 86 298 687  
ROA (%) 10.69 11.28 5.10 5.62 3.23  
ROE (%) 15.73 17.92 10.26 12.27 8.31  
EPS (円) 74.5 94.4 59.2 78.6 58.7 35.6
BPS (円) 507.2 547.4 608.3 676.1 737.0  
一株当り配当(円) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
発行済み株式数 (百万株) 4.37 4.51 4.55 4.55 4.55  

出所:同社資料よりOmega Investment 作成、小数点以下四捨五入

 

株価推移

 

財務データ I(四半期ベース)

単位: 百万円 2025/2 2026/2 2027/2
  1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q
[損益計算書]                  
売上高 2,047 2,263 2,289 2,445 2,872 2,254 2,944 2,822 2,840
前年同期比 30.2% 18.7% 25.8% 11.5% 40.3% -0.4% 28.6% 15.4% -1.1%
売上原価 1,429 1,703 1,711 1,826 2,247 1,722 2,319 2,231 2,233
売上総利益 617 560 577 619 625 532 625 590 608
粗利率 30.2% 24.7% 25.2% 25.3% 21.8% 23.6% 21.2% 20.9% 21.4%
販管費 470 485 493 468 495 495 496 510 482
EBIT(営業利益) 148 76 84 151 130 37 129 80 126
前年同期比 0.7% -48.0% -42.3% -33.5% -11.9% -50.7% 53.6% -47.0% -3.3%
EBITマージン 7.2% 3.3% 3.7% 6.2% 4.5% 1.7% 4.4% 2.8% 4.4%
EBITDA 155 83 97 167 145 51 144 95 140
税引前収益 155 77 85 145 97 41 135 84 128
当期利益 115 62 68 111 74 36 102 52 93
少数株主損益 0 0 0 0 0 0 0 0 0
親会社株主帰属利益 115 62 68 111 74 36 102 52 93
前年同期比 11.9% -143.6% -48.5% -37.3% -35.5% -42.5% 51.1% -53.2% 24.8%
利益率 5.6% 2.7% 3.0% 4.5% 2.6% 1.6% 3.5% 1.8% 3.3%
                   
[貸借対照表]                  
現金・預金 3,375 3,442 3,192 3,297 3,142 3,930 3,782 3,939 3,902
総資産 6,291 6,588 6,004 6,687 7,365 7,533 8,426 9,639 9,872
債務合計 0 0 0 0 0 0 0 0 0
純有利子負債 -3,375 -3,442 -3,192 -3,297 -3,142 -3,930 -3,782 -3,939 -3,902
負債総額 3,398 3,661 3,083 3,658 4,275 4,397 5,158 6,323 6,451
株主資本 2,893 2,927 2,921 3,029 3,090 3,137 3,268 3,316 3,421
                   
[収益率 %]                  
ROA 4.99 8.53 7.12 5.62 4.61 4.08 4.48 3.23 3.27
ROE 10.26 18.03 15.31 12.27 10.52 9.51 10.43 8.31 8.67
[一株当り指標: 円]                  
EPS 25.3 13.6 15.1 24.8 16.6 7.9 22.7 11.5 20.6
BPS 635.7 643.9 652.0 676.1 689.7 697.1 726.3 737.0 760.2
一株当り配当 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
発行済み株式数 (百万株) 4.55 4.55 4.55 4.55 4.55 4.55 4.55 4.55 4.55

出所:同社資料より Omega Investment 作成

財務データ II(通期ベース)

単位: 百万円 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026
[損益計算書]              
売上高 3,089 4,431 4,308 5,623 7,491 9,044 10,893
前年同期比 24.4% 43.5% -2.8% 30.5% 33.2% 20.7% 20.4%
売上原価 1,904 2,868 2,779 3,759 5,249 6,670 8,519
売上総利益 1,184 1,563 1,529 1,864 2,242 2,374 2,373
粗利率 38.3% 35.3% 35.5% 33.1% 29.9% 26.2% 21.8%
販管費 782 961 1,091 1,317 1,576 1,915 1,997
EBIT(営業利益) 402 602 437 547 666 459 377
前年同期比 8.3% 49.6% -27.3% 25.0% 21.7% -31.1% -17.8%
EBITマージン 13.0% 13.6% 10.2% 9.7% 8.9% 5.1% 3.5%
EBITDA 416 617 467 566 691 502 435
税引前収益 403 601 450 567 350 462 357
当期利益 289 446 327 424 269 356 264
少数株主損益 0 0 0 0 0 0 0
親会社株主帰属利益 289 446 327 424 269 356 264
前年同期比 13.0% 54.3% -26.7% 29.7% -36.5% 32.2% -25.8%
利益率 9.4% 10.1% 7.6% 7.5% 3.6% 3.9% 2.4%
               
[貸借対照表]              
現金・預金 1,458 1,944 2,089 3,071 3,158 3,297 3,939
総資産 1,922 3,180 2,939 4,577 5,971 6,687 9,633
債務合計 0 0 0 0 0 0 0
純有利子負債 -1,458 -1,944 -2,089 -3,071 -3,158 -3,297 -3,939
負債総額 484 1,279 684 2,103 3,203 3,658 6,316
株主資本 1,437 1,901 2,255 2,474 2,768 3,029 3,316
               
[キャッシュフロー計算書]              
営業活動によるキャッシュフロー 316 478 161 978 100 377 697
設備投資額 13 9 61 25 30 95 18
投資活動によるキャッシュフロー -43 -8 -47 -27 -37 -140 -35
財務活動によるキャッシュフロー 152 19 23 18 7 -91 0
フリーキャッシュフロー 303 469 110 968 86 298 687
               
[収益率 %]              
ROA 16.97 17.47 10.69 11.28 5.10 5.62 3.23
ROE 23.80 26.70 15.73 17.92 10.26 12.27 8.31
当期利益率 9.35 10.06 7.59 7.54 3.59 3.93 2.42
資産回転率 1.81 1.74 1.41 1.50 1.42 1.43 1.33
財務レバレッジ 1.40 1.53 1.47 1.59 2.01 2.18 2.57
[一株当り指標: 円]              
EPS 68.5 103.6 74.5 94.4 59.2 78.6 58.7
BPS 336.0 436.6 507.2 547.4 608.3 676.1 737.0
一株当り配当 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
発行済み株式数 (百万株) 4.20 4.29 4.37 4.51 4.55 4.55 4.55

出所:同社資料より Omega Investment 作成